2017年11月19日

和歌山県立博物館「道成寺と日高川」展

和歌山県立博物館の「道成寺と日高川」展に行って来た。
当初は会期が始まってすぐのミュージアムトークの日に行くつもりが、実家の方で外せない予定が入ってしまい、いつ行くかなあ、1日で道成寺とハシゴできるかなあと迷っていたところ、台風で講演会が延期になり、元々予定されていた関西文化の日の講演と二本立てになると知って、そんな贅沢な日ってないよと、いそいそと出かけた。
博物館に着いてまず1時間半、講演をみっちり聞いた後に40分くらい展示が見られるはずという完璧な時間配分。

展示室に入るなり、すらりとした千手観音像に吸い寄せられた。
本堂の北向観音の内部から発見され、修復復元された奈良時代の像。
それから今回新たに寺内から発見されたというこの千手観音像の手を合わせた仏手もあったけど、こちらもとてもすらりとした指先まで美しい手だった。
道成寺の仏像がいろいろあり、その中でも頭部が鳥?の迦楼羅立像には驚かされた。

道成寺縁起の大体の話は知っていたけど、実際に縁起を見てみたらなんか登場人物が個性的な、道成寺の僧とかけっこう憎々しい顔つきをしていて、男が追われて逃げ込んできたのに、あまり深刻じゃないような…。
女性の顔、上半身、全身と異形に変身していくのが印象に残った。

展示を見ていて浮かび上がってきた、熊野参詣道の切目王子など、熊野詣した人に害を及ぼす何か道成寺縁起の下地になりそうな話がとても興味深く思った。
熊野の参詣曼荼羅とか載ってるかな、熊野三山展の図録を読み返してみよ。

講演会1は「道成寺縁起と流域の宗教文化」。
道成寺の文献資料はほとんどないそうで、わからないことが多いけれど、その地域の歴史から、道成寺縁起を逆照射していくとおっしゃっていて、そうそのスタンスが魅力で和歌山県博に通っちゃうんだよな〜。

北向千手観音から発見された千手観音は顔がなかったところから復元されたそうで、元々正面にウロがある材で、背面側に当初材が多いそう。
胴がくびれて腰から下が細くて、他の奈良時代の多臂観音像との比較がわかりやすかった。
都の南の端を守る鎮護のお寺という姿が語られ、そしておよそ150年で御本尊が交代していることから、おそらく地震による破壊があり、新しく御本尊が造られた10世紀のことが講演によって次々と明らかにされていって、大興奮の時間だった。

あと日高川流域に熊野神が勧請されたこと。熊野速玉大社の家津御子大神像が神像としては一般的でない跪坐(正座)をしていること、しっかり見ていたのに気づいてなかった。

講演会2は「道成寺縁起の謎をさぐる」。
道成寺縁起を「日本無双の縁起」といった足利義昭の略歴から始まり、縁起の人物の多彩な表情を見ていって、その顔を手がかりに、描いたのは南都絵所の琳賢か?として、義昭の話は少し遠回しかと思ってたけど、講演の最後に至った場面に、ああそれで義昭の経歴が必要で、こういう構成だったのかーと膝を打った。
素晴らしい講演でした。

講演のあと、急いでもう一度ぐるぐるまわった。
すらりとした千手観音の後ろ姿を名残惜しく見て、仏手を見て、熊野速玉大社の家津御子大神を見て、熊野権現本寺仏像見て、江戸時代の縁起もばばばっと見比べて、頭がはちきれそうになって帰宅。
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2017年11月18日

関西文化の日は神戸で

ところで、このブログを書く時に読み手の存在をあまり想定していなかった。自分と、たぶん惰性で見にきてくれてる古い友達はいると思う。
本や漫画や映画なんかの感想を書く時は、それをまだ読んでない友達に紹介するように書こう、とはなんとなく思っていた。
でもけっこう博物館とか行くようになって、自分の知識もそれに応じて蓄積してくると、この架空のお友達の知識レベルをどう設定したらいいんだろう。
自分のためにこういうものを見て、こう感じたとブログにメモしておきたいことがあって、その時に自分は分かってる前提を、どのくらい説明した方がいいんだろうか?というのは、実はわりと頻繁に悩んでいる。

興味ない友達ならナナメ読みしてくれるだろうけど、検索で飛んできた人が読むとしたら、自分が見たものに対して、自分の責任で書く文章に対してなるべく誠実でありたい、とは思っているんだよー。
でもあまり丁寧に説明したら、気軽に書ける日常ブログじゃなくなってしまう。

というのを、関西文化の日に出かけたと書こうとして、まず関西文化の日とは何かから説明した方がいいのか?と迷いつつ考えた。

毎年11月にある関西文化の日は、関西の多くの美術館、博物館、資料館などが無料で見られる嬉しいイベント(ただし全てが無料になるわけじゃない)
万博公園に行ってみんぱくに入るのが定番だったけど、今年は今まで足を運ぶ機会がなかったとこに行ってみることにした。

まず向かったのは神戸ファッション美術館。阪急民なので梅田で阪神に乗り換えて、魚崎で初めての六甲ライナー。「宮脇綾子 美しいアプリケ」展。

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シャケとか野菜とか、日常の、主に台所で見られるものが題材になっている。
元々の布の素材感や柄を残したまま新しい形になっているのが面白い。いかにもハレの日っぽい派手な柄の伊勢海老とか。あとコーヒーを濾した布を使ったスルメのいい色とか。
それから題材の面白さ。串にさした魚とか、刺身を取った後の骨が見えてるカレイとか。
で、アプリケだし平面だし布の色柄が残っているので、デフォルメではあるんだけど、フォルムとか質感が妙にリアルに感じる。玉ねぎから芽が伸びた感じ、冬瓜のわたの感じ。もう何年も家で料理してきた経験が、これはリアルだと言っている。
対象物をまずよく観察すること、それを布のどの部分をどう使ったら再現できるというイメージが優れてるんだろうなあ。

常設は「ファウンデーション ドレスの内側」特集。ドレスのあのフォルムを作るために、内側に着るものの歴史。これも見ていて楽しかった。

昼食をとって、六甲ライナー住吉駅まで行ってJR乗り換え。
次は横尾忠則現代美術館へ。灘駅から美術館への上り坂に久しぶりに神戸を実感した。今年の台風被害で改修工事が入り、休館していたのが再開したばかりの「横尾忠則 HANGA JUNGLE」展。

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瀬戸内国際芸術祭で豊島横尾館に行ったのでまとまった作品を見るのは一応2回目ではあるけど、好きな方には失礼だがどういう感想を抱いたらいいのかよくわからないまま見た。
同じ文脈での色の組み合わせとか違いによる印象の違いを見たらいいのか?
カラフルでなんとなくオシャレって思ったらいいのか?

結局私は平凡な感性なのだよ…と思いつつ、次はバスで新神戸駅方面に移動して、竹中大工道具館へ。

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「千年の甍」展。藁葺、茅葺、檜皮葺、杮葺、屋根には修繕が要ることはなんとなく認識してたけど、瓦ってなんとなく不変に思ってた。そっか古建築の修復には瓦職人さんも必須だよな。
現代において「実際に葺くことができる古代瓦」を復元する方法や、古代と現代の葺き方の具体的な違いなど、ここならではの展示だった。

関西文化の日を堪能した後は、せっかく神戸に来たので、元町方面に移動する。
地下鉄の駅から歩いて行く途中、兵庫県公館の門が開いてたので中に入ってみることにした。

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毎週土曜日に一般開放されているらしい。
明治35年竣工の兵庫県本庁舎で空襲で焼けて復旧されて、今は迎賓館と県政資料館として使われているそう。
最初の建物の設計は山口半六。といえば、金沢の四高記念館に、近代文学館が入ってることもあって行ったなー美しい廊下が印象的だった、と模型を見ながら思い出した。
当初あった中庭は、3階に復元されて屋上庭園のようになっていた。屋根の形が、当初の形を復元した部分と復旧時の部分で違うこととかガイドの方に教えていただいた。

せっかく神戸に来たので、おやつは少し並んでモンプリュでオプティミスト。お酒つよめのラムレーズン。

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ここのケーキは大人味で、苦いは美味しいと初めて知ったのもここだったと思う。神戸は色々ケーキが美味しいとこあると思うんだけど、最初に入ったここで十分満足してしまってなかなか他に行かない。
おみやげも買ってセンタープラザをうろうろして帰宅。
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2017年11月17日

大津と京都で博物館

秋、京都国立博物館では「国宝」展をやっていた。
会期は4期に分かれて、展示替えが多い。自分のコヅカイと余暇を考えると行けるのは1回……というわけで、事前に出陳リストを見ていつ行くか念入りに検討し、4期の、夜間開館のある金曜に行くことに決めた。

で、京都に行くんならと、同じ日に大津も行ってきた。
大阪駅からJRで大津京まで普通に切符を買うと、片道970円。これが金券ショップで大阪ー京都間の昼特切符を買っていくと、380円+240円で行ける。
電車に乗る時はこういう地味な節約をしてるんだけど、とうとう昼特が来年9月発売終了になるので、再来年以降は京都より東はどうやって行くことになるかなーと電車に乗りながら薄ぼんやり考えていた。

「大津の都と白鳳寺院」展。
天智天皇の大津京の特別展と聞いたら、飛鳥好きとしては行かざるをえない。
見てて思ったんだけど、ここの展示はすごく繋がりがわかりやすい。遷都前の大津の様子がわかる遺跡が紹介され、同時期に都が置かれた飛鳥宮、難波宮が紹介され、大津遷都があって、誰もが知ってる壬申の乱へと、考古資料から時代を描き出していく。で、最後は天智天皇の血を引く桓武天皇が大津に建てた梵釈寺の話で終わる。
地域の歴史を日本史に結びつけて、興味が湧いて来るような導入がうまいというか。
この展示をここら辺の子が見たら、日本史が一気に身近に感じられるんじゃないかなー。
あと相変わらずキャプションのキャッチが面白い。誕生釈迦仏の並びも、ついつい食いつきたくなるんよな。

天智天皇発願の崇福寺。そのお寺の名前は今回やっと認識したけど、今はもうないそのお寺の旧仏が、園城寺の頭身が低い重文十一面観音だった(これは見たことあった)と知って、そうだったんだーとか。
瓦、金銅仏、塼仏、塑像断片などとにかく見応えがあった。
雪野寺跡の塑像の童子の頭部ってほんとに白鳳?と思うくらいリアルな造形で驚くけど、塑像片てすごいいっぱい見つかってるんだなーとか。御所市の二光寺廃寺と名張の夏見廃寺出土の塼仏がいっぱいあって、同型の塼仏があるというから地図で位置関係を見たり、西宮の黒川古文化研究所ってけっこう塼仏持ってるんだなーなんか興味ある展覧会の機会があったら行ってみようと思ったり。
橘寺の塼仏が美しくて、一気に飛鳥に気持ちがいってしまった。飛鳥行きたい。
石山寺の観音さんは痛々しくて見るとつらい。
妙伝寺の如意輪観音さんにも、阪大の金銅仏展以来の再会。ほぼ独り占めで、正直、この日京博でお会いしててもおかしくないよなーと思いつつじっくり拝見した。
考えてみれば今回見た資料はけっこう奈良国立博物館の2015年夏の「白鳳」展で見ているはずなんだけど、理解は今回の展示でより深まったと思う。ていうかこの知識を持ってもう1回「白鳳」展行きたいわ〜。

京阪別所駅から乗り換えつつ東山駅に行き、少し歩いて細見美術館へ。「末法」展。
カフェは何度か使ったことあるけど、実は中に入るの初めてだった。照明暗い。
末法の世に生まれた芸術をただその美によって鑑賞する。
心掴まれる美しさのものがいくつかあって、興福寺伝来井上馨旧蔵の弥勒菩薩とか、手のひらサイズの如意輪観音とか、工芸の極みみたいな光背とか…こりゃ快慶とかそういうクラスのお像を飾ってないと嘘でしょみたいな…魂抜かれそうになった。
頭部に牛頭がついてる牛頭天王坐像とかどこ伝来なんだろうなー。
あと意外に蔵王権現祭りでもあった。
それから応挙の驟雨江村図が見られたのが嬉しかったのと、金峰山伝来の優填王像のポーズが、あっこれ奈良博の走り大黒さん!というのが印象に残った。
地下のカフェで国宝展に臨む前の腹ごしらえをして、バスで移動する。座れたのでよかったけど、東大路通を南下する路線はひどく混んでいたので、おけいはんまで歩いた方がよかったかなーともちょっと思った。いやでも体力温存したかったのでまあよいのだ。

京都国立博物館「国宝」。入館の待ち時間はなかったが、中はほどほどに混んでいた。3階からまわる。
まあ何年かこつこつ博物館、美術館巡りしてると、けっこう見たことあるというものも多く、桜ヶ丘銅鐸を見ては結婚前に神戸市立博物館にデートで行ったなーとか、荒神谷遺跡はほんと衝撃的だったなーとか(最寄りの荘原駅で記念に取った乗車証明をまだ財布に入れてる)、福岡の新・奴国展ほんっとすごかったなーとか、一つ一つ見ては思い出が蘇ってくるって感じだった。
崇福寺の舎利容器がここで見られたのは、大津とハシゴしてよかったことだった。

4期にした決め手は唐招提寺の金亀舎利塔、大井戸喜左衛門、小野道風だったので、これらは特に丁寧に見てきた。
1階の仏像室には仁和寺の薬師如来がいらしてた。トーハクの仁和寺展にもお出ましになるらしいけど、多分日程が合わないので、今回はまたとない機会ということでここぞとばかりに間近で拝見してきた。素晴らしい檀像。

国宝ばかりが並んでいて、それなりに見ごたえはあるんだけど、しかしやっぱり展示にもうちょっと文脈がないと、展覧会としての面白みには欠けるかなーと贅沢なことを思いつつ帰宅。
京都は普段から常設が凄すぎるんだよな。
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2017年11月12日

北陸旅行2日目 石川

朝は前日買っておいた焼き鯖の棒鮨でスタート。
ホテルから15分ほど走って、拝観が始まる8時半前に那谷寺の駐車場に着くと、もうけっこう車が停まっていて、なんかお祭りでもあるのかと少し考えて、あ、紅葉か!と思い当たった。
松尾芭蕉はこのお寺で「石山の石より白し秋の風」とよんだ。
けれど現代の我々は秋には赤を見に行くわけです。

那谷寺は2013年春に金沢旅行をした時に訪れて、苔と落ちた椿が美しかった。ただ1時間に1本くらいしかない帰りのバスの時間を気にしながらだったので、十分見られなかったのだ。
特別拝観券を買って、金堂から書院、庭園の方へ。

庭園に出ると、池があって中島があって、そのバックの三尊岩のスケールが大きすぎて、ちょっと他にはない感慨がある。

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兼六園とか行っても、名木がごろごろあって驚くけど、ここは石がすごくて、加賀百万石すごいなーとか、茶人がここに来たら、嫉妬で転げ回るだろーなーと思いつつ歩いた。

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つくばいなんか見てもただごとではない感じがするもんなー。

宝物館は上杉謙信の遺愛の琴がまずあって、与謝野鉄幹と晶子の歌が添えられている。2人もこのお寺に来て同じ物を見たんだなーと実感する。
あと鎌倉時代の泰澄像とか、後陽成天皇の宸翰とか、鎌倉時代の前のめりな風神雷神像とか。

それから参道を奥の方へ歩いて本堂へお参り。
前回は奇岩遊仙境を歩いてた人がいたと思ったけど、今回は人が多いからか立入禁止になっていた。
鳥居があって、岩窟みたいなのがいくつもあって、いかにも修行場って感じがする。

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本堂から三重塔、展望台と歩いて、ここは大名庭園と山岳の行場が一緒になったみたいな面白さがあるなーと考えた。

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それから小松市立博物館へ移動して「那谷寺と白山信仰」展。
那谷寺の資料と、那谷寺を再興した前田利常が寺に寄進したものが主に展示されていた。
那谷寺は瑪瑙の産地だったそうで、瑪瑙をあれこれやり取りする文書があって、うーん富のにおいがする。
それから一向一揆ってほんっと激しかったんだなー。
那谷寺は何度か衰微した時があって、けっこう資料に断絶があるのかなーと思った。
前田利常の存在の大きさは分かるんだけど、自分が興味があるのは主に古代なので、復興された那谷寺のどこが前の時代と繋がっててどこが違うのかがもう少し知りたかった。

小松市立博物館の3階は石の展示で、貝の化石が天狗の爪石と呼ばれたというのが面白かった。不思議な石だと言われていたら実は化石だった、ってけっこう多いのかもね。
ここは自然史料が強いみたい。もらったリーフレットを読んだら、那谷寺の庭園の庭石や飛び石には、碧玉や瑪瑙、水晶、オパールなど地元産の石類を使用しているらしい。
こういうの。

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ゴージャス!
あと小松市内の石が見られる場所がけっこう気になる。石切り場とか、ハニベ岩窟院とか。

次は白山比盗_社へ行って参拝。

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七五三の子がいっぱいいて可愛かった。丁寧に参拝してる人が多かった。
宝物館がけっこう充実していた。面白かったのは、白山の3つの峰の御正躰の厨子とか。厨子の中に3つの山がどーんと入ってそれぞれ上に宝珠が乗ってるの。あと平安時代と鎌倉時代の立派な狛犬。

このへんは取手川と山の景色が本当に良かった。

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道の駅でラーメンを食べて、最後に行った白山市立博物館「白山下山仏と加賀禅定道」。
ここが山岳宗教に興味があって仏像スキーな自分にとって、加賀馬場からの禅定道、白山登山の資料と明治の神仏分離で白山から下山した仏像の展示が見られてもう最高だった。磨崖仏とか写真パネルも色々あったし。
成人儀礼としての白山登山とか、具体的に白山に登ったことが伝わる資料ていうか。
行人札とか、上下に彫刻があって本で読んで想像していたよりずっと立派だったし、やっぱり百聞は一見にしかずってことやなー。
金劔宮の狛犬は白山比盗_社ともちょっと違って、ずいぶんずんぐりむっくりしていた。獅子舞みたいに。
それからいかにも地方って感じの仏像がいろいろあって、それからまるで役者絵みたいな銅打ち出しの不動明王、金剛童子が印象に残った。
林西寺にはいつかまた石川に行く機会があったら行かねば。
図録はなく、鑑賞の手引(300円)があったので、頂いてきた。

今回はあちこち周って、いろいろ得るものがあったけど、秋のドライブはそれだけで気持ちよかったし、満足の旅行になった。

北陸道をSAに立ち寄りながら敦賀に向かい、車を返却。2日間で360kmほど走っていた。
帰りは新快速に乗ってごとごと大阪へ帰宅。
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2017年11月11日

北陸旅行1日め 福井

ここ数年、山岳宗教とか修験道が気になってて、展示があると聞けばあちこち行ってるんですが、白山開山1300年記念の特別展を北陸のあちこちでやってるのを知り、これはいい機会だとレンタカーを借りて1泊2日で巡ることにしました。

サンダーバードで9時に着いた敦賀駅は冷たい雨だった。大阪の生ぬるい気温に慣れきった身には厳しい冷えに、レンタカーまで小走りになる。
しかし高速を使って越前町へ向かうと、空は次第に晴れてきて、柿の木に実がなり、刈り取りの終わった田んぼや古い家、色づいた山の風景は、どこか奈良の田舎に似ていて、
「奈良やー」
「奈良やなあ」
と会話した。
なんか懐かしさを感じる田舎の好ましい風景を奈良っぽいと言ってしまう我々。
秋の色ってなんで目に快いんだろう。ドライブ目当てにまた訪れるのもいいなと思うくらいだった。

最初に到着したのは越前町織田文化歴史館「異人研究 泰澄11の疑問」展。
白山を開山した泰澄の研究を、「泰澄は実在したのか?」に始まる11の疑問にまとめて、パネルで展示している。
一見して凄い面白そう。だけどかなり文章量が多い。この場で読み切れる気がしない。しかもパネルに載せきれなかった研究は図録にって書いてある。
圧倒的な熱量を感じる。
これは図録を買うしかなかった。

展示では十一面女神像をこちらで見ることができた。
女神像の頭に十一面観音みたいに化仏がついている、まさに神仏習合!って感じ。大きさも木を削ったあとが見える顔つきもそれぞれがちょっとずつ違う。日吉神社の如来形坐像は現状では顔がなく、ぐるぐると筋というか彫りあとなのかがあって、一見してすごく異様な姿だった。顔の中心に節があって、元々顔がはっきり彫りあらわされてなかったのではないかと図録には書いてあった。
それから林光寺の新出の御本尊阿弥陀如来とか。
劔神社の国宝梵鐘もこちらで展示していて見ることができた。

せっかくなので隣の劔神社に参拝…しようとしたら、大雨。
神社に行って雨が降っても晴れても、おっ歓迎されてるなって思う性質ですが、これは激しかった。そしてからっと晴天。

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ここでは、縁を切りたいことをかわらけに書いて割るらしい。特に思いつかなかったのでやらなかったけど、あとで関節痛って書いてやっとけばよかったなーと思った。

この日の最後に、福井から白山に登る拠点となる越前馬場の平泉寺白山神社に行く予定だったけど、遅くなりそうだったのと、時折強い雨が降ってくるので、この時点でとりやめることにした。
考えてみれば、ここから泰澄の最初の修行地であり、入寂の地でもある大谷寺に行くという手もあったなー。でも時間がやっぱり厳しかったな。
また次回の楽しみにまわすことにする。

1時間ほど走ってみくに龍翔館へ。

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外観は近代建築っぽいのに中は新しくて、あれ?と思ったら、明治時代の龍翔小学校の外観を復元した建物らしい。
デザインしたのはM・C・エッシャーの父親だそうで、それにちなんでか上の階ではトリックアートを展示していた。
港にある丘の上の洋館風博物館て、なんかポテンシャルが高いな。

展示はまず特別展示室に入る前にある三国祭りの弁慶と牛若丸の大きな人形が乗った山車に、でっかい!と度肝を抜かれる。
ここでは「豊原寺・東尋坊と白山へのまなざし」展をやっていた。
泰澄開基の豊原寺は室町時代までは三千坊と言われるほどの規模があったらしく、興福寺のお坊さんの日記『大乗院寺社雑事記』にも動向が出てくるそうで、それ今年『応仁の乱』で読んだやつ!となった。
ここでは古文書、豊原寺跡からの考古資料と、國神神社の白山参詣曼荼羅などが見られた。山の間に噴火が描かれてて、絵解きでは噴火はどんな風に語られたんだろうなーなんてことを考えた。
あと豊原寺の平安時代の木像薬師如来像とか。
あと「深蛇龍仙洞」というかっこいい扁額が印象に残った。深沙大王を祀っていたらしい。

展望室に上がると九頭竜川の河口が見られた。山も見えたけど、白山がどれかは分からなかった。

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せっかく港の方まで行ったので、お昼は海鮮丼。あら汁と小鉢もついてけっこうボリュームあった。

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お昼を食べて福井市へ。
福井県立歴史博物館の「泰澄」展へ。タイトル通り泰澄についてのバランスのいい内容だった。
泰澄と二行者像、泰澄のお顔が斜め上を向いてるのが印象的。白山垂迹曼荼羅の、描かれた泰澄が顔を傾けてるのをそのまま表現しているらしい。
仏像では金剛童子と不動明王が特に印象に残った。金剛童子は行者を守る守護神として独立して信奉され、厨子に収めて修行場まで運ばれたと伝えられているそうだ。
あと、ここでは大きな写真パネルの白山が美しくて、ここいらの人は遠い昔からこの美しい山の姿を見ながら生活してきたんだなーという実感でしみじみした。
図録を買う時、2014年の白山曼荼羅展の図録も並んでて、ぱらぱらめくったら面白そうだったので一緒に買って来た。

博物館のカフェで休憩してから福井市郷土歴史博物館へ。常設に「福井市の霊山文殊山」の展示がちょっとあって、越前市の大虫神社に泰澄大師像として伝わった、泰澄寺の僧形神像があった。
常設を見てから、隣の養浩館庭園へ。

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JR大阪駅にこの庭園の美しいポスターが貼ってあって、気になっていた。福井藩主松平氏の別邸だそう。
書院に入ると水面が近いのに驚いた。

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茶室ではお茶会があったようで、着物の方が何人かいらして、着物姿を見るのが好きな自分としてはけっこうほくほくとしていた。

1日目の宿は山代温泉のビジネスホテルで、向かう途中雨がかなり酷くなり、なんかずっと先頭で対向車のライトと濡れた路面からの反射でだいぶ怖い思いをしたので、無事に到着してほっとした。

夕食はホテルの近くのかどや喰堂で創作カツ丼。

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スパイシーチーズカツ丼を頼んでこれはこれで美味しかったけど、旦那の食べてた醤油カツ丼が匂いからして美味しそうで、そっちにすればよかったーと地味に後悔した。
醤油カツ丼て福井の方の新しい名物らしいけど、多分これ絶対うまいやつ。
早めに就寝。
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