2013年06月30日

6月に読んだ本

6月に読んだ本メモ

『幻想文学入門』 東雅夫編 ちくま文庫
『夜歩く』 横溝正史 角川文庫
『日本SF短篇50 T』 ハヤカワ文庫
『トーイン』 キアラン・カーソン 東京創元社

4冊でした。

『幻想文学入門』はブックガイド的に読みましたが、特にラブクラフトの「文学と超自然的恐怖」が面白かったです。

恐怖小説は作者の意図とか筋の組み立てによってではなく、その作品の一番世俗を脱した部分に描かれている感情の度合によって評価されねばならない。(中略)その場面は恐怖小説の真価として認めなくてはならない。たとえ、その後どんなに無味乾燥な調子で物語がだれていったとしても。


とか、けっこうスタンスがはっきりしていて頼りになりそうな感じ。
『放浪者メルモス』、『嵐が丘』、シールの「音のする家」、ヤン・ポトツキ『サラゴサ手稿』読みたい。

『夜歩く』は、たまたま横溝正史の短編集が読みたくなって買いに行ったんだけど、今って角川文庫で新刊で金田一耕助の冒険って買えないんですな。それで読んだかどうか定かでない長編を1冊買ってきた。
なんとなく記憶にあったのでどうやら読んでたっぽいですが、中学生の頃なのでトリック的なものにだけ目が行って、なんだ◯◯じゃん、みたいな感想しか持ってなかったと思うのですが、今読むとこー、この人間関係のね、もつれ合う感情の凄まじさというか、さらっと書かれてるんですがすごいなこれ、とあてられてしまった気分です。

『日本SF短篇50』は日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジーってことで、1963年から年1編ずつ、1作家1作品しばりで選ばれたアンソロジーの1冊め。
63年〜72年はもちろん生まれる前なんですけど、読んでてすごく文章がなじみます。元々アシモフとか、古めのSF短編が好きなのもあるかもですけど。
最初の光瀬龍からこれかっこいい!! ってなって、荒巻義雄はわけわかんないけどかっこいい!! ってなって、石川喬司「魔法つかいの夏」と星新一の「鍵」は私の偏愛短編箱に入れる。「ハイウェイ惑星」と筒井康隆も面白かったな〜。これ1冊ハズレ無し。

『トーイン』はキアラン・カーソンの新刊と思って買っておいたけど、キアラン・カーソンが訳した古アイルランド語の神話だった。
アルスターの番犬、クー・フリンの孤独な戦いの物語。
地名の由来が死屍累々で血なまぐさいし、馴染みのないアイルランド語には少し苦戦。
本として読む物語の山場は義兄弟フェル・ディアズとの決闘だろうけど、語られる耳で聞く物語としたら、その後のアルスターの男達の呪いが解けて、各地から英雄が集まってくる、名前がえんえんと並ぶ部分かもしれないなー、と思った。そのひとつひとつの名前に、各地の英雄物語が多分くっついてくるわけで、あの人も立ち上がった、あの人も戦いのために立ち上がった、という高揚感がきっとある。
posted by すずる at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書メモ
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