2015年05月03日

4月に読んだ本

4月に読んだ本は2冊でした。
『MONKEY vol.5 死者の歌ーイギリス・アイルランドの物語』
『不死の人』 ホルヘ・ルイス・ボルヘス 白水uブックス

今回のMONKEYは英国特集。
詩だったり、抜粋+絵なこともあるけど、いまいちぴんとこない部分が多かった。
私にとってのイギリスって、主にミステリとか怪奇とかのジャンル小説で、今回は今まであまり触れたことない要素が強かったというか。
ディケンズ「眉に唾をつけて読むべき話」、幽霊譚。やっぱすごいやディケンズは。久しぶりに肌に粟立つ、首の後ろにちりちりくる怖い話読んだ。鮮やかな反転。対談でディケンズの文章あまりうまくないみたいな発言読んだ気がするけど、この剛腕の前で文章の良し悪しとか意味ある?とは思った。
W.S.マーウィンの詩はよく分からなかったけどヤシについての文章はすごく良かった。
なんにせよ、イギリス文学クエスト途中で止まってたの思い出して、いろいろ読みたくなった。

ボルヘスの短編集を読むのは3冊目。
「死んだ男」とか、淡々と起きた出来事を羅列してるようで、合間にとんでもないセンテンスをぶっ込んでくるから意識が遠くに持っていかれる。その男の生を語る上で、最重要人物の存在が、関係が十分語られてないんじゃないかって疑心暗鬼を呼ぶ。
だってねえ、何読んでも、書かれたよりももっと禁忌で隠微な関係が隠れてそうな雰囲気があるんだよなーボルヘスは。
「タデオ・イシドロ・クルスの生涯」はほんの7ページで男の45年の生涯を、瞬間に凝縮するこの描写…! 物凄かった。
あと「ザーヒル」、「敷居の上の男」が好き。なんかどの話もそれぞれ違う話なんだけど、どれも人が己の運命に出会う話に見えてくる。

漫画では、1巻読んで積んでた『BLUE GIANT』、2巻読んだら面白くて続きも一気読みでした。
主人公の、これがジャズだ!っていうハートが強いのも熱いんだけど、要所要所で理解者がちゃんと居てくれるのが嬉しいんだよな〜。
兄ちゃんとか、師匠とか、音楽の先生とか。(音楽の先生とのシーンすごく好き)
とうとう同世代の仲間もできて、早くこの子らのライヴシーン読みたい。
posted by すずる at 23:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書メモ

2015年04月02日

3月に読んだ本

3月に読んだ本……1冊でした。そろそろ「趣味:読書」の看板を下ろさないといけないかもしれない。
久しぶりに始めたDQヒーローズが余暇を奪っていく。

今月読んだ本は

『戦闘妖精・雪風 グッドラック』 神林長平 ハヤカワ文庫

でした。シリーズ2冊目。
1冊目の最後のアレで植物状態?にまでなった零が、再び雪風に乗るまで。
今度はカウンセラーや情報部からの人が来て、外から特殊戦を見る視点が出てくる。
零変わったなーっていうのは、同僚の死に心を乱す描写が出てきたことで、そんなナイーヴで大丈夫なのかと心配になるけど、ジャムとは実在しない共同幻想なんじゃないかという説まで出てきて、ジャムとは何か、なぜ戦うのかとか深めていくと、自分とはなんなのかってとこまで思考は行き着いてしまう。
クーリィ准将の過去の部分がほんとかっこよくて、特殊戦が最後に動き出すところは、なんかもうクーリィ准将を女王蜂に戴いた働き蜂みたいな感じで、エディスが戦死を覚悟してるとことか? こんな特殊戦を観察する立場の人も特殊戦に取り込まれちゃったんだなーとか、めちゃ個人主義の集まりみたいな特殊戦が一つの生命体になっちゃったような、これがジャムと相似って描写なのかなーとか。
神とか神みたいなものがもしいるとするならば、それが自分の存在を認識してないことが許せない人の集まりなのか、とか。
途中の零が雪風との関係を完成させるのに忙しいってあたりも盛り上がったけど、最後に向けての高まり凄かった。
そういえば雪風ってOVA版が出てるらしくて、レンタルにあったら借りて見てみようかと思った。

4月はちょっとキアラン・カーソンを再読したくなったので読みます。
posted by すずる at 18:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書メモ

2015年03月02日

1月、2月に読んだ本

去年の夏からあまり読めない時期が続いていて、やっと本を持ち歩くようになったんですがどうも集中力が続かず。
2ヶ月で読んだ本は

『MONKEY vol.3 こわい絵本』
『MONKEY vol.4 ジャック・ロンドン新たに』
『エドウィン・ドルードの謎』 チャールズ・ディケンズ 白水Uブックス

3冊でした。
ディケンズは短編はちょこちょこ読んでたけど、長編は学生の頃に読んだ『荒涼館』以来。
クロイスタラムの街に馴染むまで(あと、いかにも気が利いてるだろ?的な言い回しに慣れるまで)時間がかかったけど、グルージャス氏が出てきたあたりからだんだん面白くなってきて、名探偵役っぽい人も現れて人間関係がうまくはまってきて続きが気になるところで、未完……ああー。

漫画では『僕だけがいない街』5巻とか(続きが気になる!!)、『ダンジョン飯』面白かったです。
あと『失恋ショコラティエ』完結! ああーうん、大団円、なんだけど、なんとなくすっきりしないなー。うーん、終わった恋ってなんか無残だなあ。

そういえば学生の頃の仲間ですごくたくさん漫画を読んでる友達がいて(彼が行きつけの漫喫に行ったとき、店員さんに「バイトの誰のシフトよりも長く入ってますね」って言われたって話は面白すぎた。住んでる訳でもなく普通に社会人なのに)、会うたびにお勧め漫画を聞いてるんですけど、前に会った時は『ピアノの森』、1月に会った時は『四月は君の嘘』を勧めてくれて、たぶん私の好みを考えて無難なやつを教えてくれてるんだと思うんですよね。
私に合わせてでなかったらその口からどういうタイトルが出てくるのか気になる。
posted by すずる at 23:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書メモ

2015年01月14日

今頃年頭の挨拶&昨年読んだ本メモ

年末年始とばたばたしていて、今頃になって年頭の挨拶とか。
なんかこのブログいろんな意味で中途半端で、なんだろうこれ…って感じになっていて、付き合い方をもうちょっと見なおした方がいいかもしれないなあ。
希望としては、もっと私的な日記みたいな感じで気軽に日々のメモをしていきたいんですけど。

それはそれとして、2014年に読んだ本のメモです。
読んだ本ていうか、むしろ本、読んでなかった…。なんと1年で読んだ本、39冊でした。過去最低記録更新。
ストレスが大きいと何も読む元気なくなってしまって、体調悪くしていたら家族に「お前の体調が悪いのは本を読まないせいだ」と言われるくらいなんか何も手に取る気になれない時期がけっこう長かったです。
まあまた元気になってきたんで、ぼつぼつ読んでいきたい。

昨年読んだなかで面白かった本は、

『戦闘妖精・雪風』神林長平
『ゆめこ縮緬』皆川博子
『スペシャリストの帽子』ケリー・リンク
『第三の警官』フラン・オブライエン
『ゴーレム』グスタフ・マイリンク
『悪魔の涎・追い求める男 他八篇』フリオ・コルタサル
「舞踏会の手帖」長谷川修

あと津原泰水のクロニクル・アラウンド・ザ・クロックシリーズが完結したんだよな〜。
ミステリは若竹七海の新刊が妙に3冊も出て楽しみましたが、そのくらいしか読んでない気もする。

白水Uブックスの永遠の本棚はどれも面白くて珍しくついていってます。これも何冊か積んじゃってたなあ。
あとはフリオ・コルタサルの『対岸』が面白くて買った短編集良かった。
それから北村薫と宮部みゆき編のアンソロジーで知った長谷川修がすごくよかったんで、著作探したい。

今年は何を読もうかな…1月はとりあえず積んでた雑誌『MONKEY』の3号と4号から読んでいこうと思います。
posted by すずる at 19:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書メモ

2014年08月07日

7月に読んだ本

7月に読んだ本は5冊でした。

『対岸』 フリオ・コルタサル
『SFマガジン700 国内篇』 ハヤカワ文庫
『御子柴くんの甘味と捜査』 若竹七海 中公文庫
『読まずにいられぬ名短篇』 北村薫、宮部みゆき編 ちくま文庫
『教えたくなる名短篇』 北村薫、宮部みゆき編 ちくま文庫

フリオ・コルタサルの『対岸』は、最初はあんまりぴんとこなかったけど、短編全部読んで、短編小説の書き方についての講演録読んで、訳者あとがき読んで、献辞を見返したら、あーこれっていい本だなーとしみじみきた。
奇妙な短編揃いだけど、「転居」と手フェチ的に「手の休憩所」が好みかなー。
「転居」の、日々のつまんない仕事から帰ってきたら、家族と家の様子に少しずつ違和感を覚えて、それが膨れ上がっていって、どこかで境界を踏み越えてしまい、そしてあの結末に到達するのがじつに…いい…。
職場でも家でもやることが決まりきってる日々の中で、ふと違和感を覚える感じ。まったく同じ毎日のはずが、実はまったく覚えのない状況(家も家族も)に気がついてしまった、みたいな。この描写好き。

SFマガジンの700号記念アンソロジーは国内篇から読み始めてみた。
SF素人にはわりとマニア向けに思える。エッセイとか、早川の雑誌で堂々と創元SF派って言っちゃうノリとか、SFファンのうちわ向けのあの独特な感じがよく出ていた。
筒井康隆「上下左右」、円城塔「Four Seasons 3.25」がよかった。

『御子柴くんの甘味と捜査』は、『プレゼント』の登場人物が出てくる、けどすっかり忘れてても問題なく読める。(大昔に読んで面白かった記憶はぼんやりある)
御子柴くんが甘味に振り回されつつ捜査した事件が、最後に小林警部補の一言で様相が変わって…ってこのスタイル、すごく若竹さんの短編に合ってる。
玉森さんはいいツンデレですね。
しかし若竹七海の新刊短編集が2冊も読めるなんて、今年は何かが起こる!

ちくま文庫の北村薫、宮部みゆき編のアンソロジーは5、6冊目。
北村薫さんの『自分だけの一冊』っていうアンソロジー作りの醍醐味を語った講座を読んだ後だから、こういう意図で編まれたのかなーとか考えて、1回で2度おいしい。
『読まずにいられぬ名短篇』はもやーもやーとするいい厭な話が多かったので厭な話スキーの方にお勧めしたい。序盤の動物かわいー♡みたいなのに騙されてはいけない。
田中小実昌の「からっぽ」がわけわかんなすぎて凄かった。戦後すぐ米軍基地でタイピストとして働き始めた女の子が女子トイレがなくて困ってて、最終的に処女がお神輿担がれてワッショーイってなるナニコレおもしろい。
米兵さんも人夫として働く日本人も、だんだん女の子1人を中心に記号から個性のある血の通った人間になってって、処女を担いでハレが始まる、ぎりぎりエロくならずに。
女の子が性的な生贄っぽくも巫女さんっぽくも見えるんだなー。このバランスすばらしい。
共感と感情移入から始まったアンソロジーもジャック・ロンドンと尾崎士郎に至って、だいぶ遠い所に連れて来られた感。
「まん丸顔」の圧倒的な非共感?  語り手にビッグな罰が当たりますようにとつい願ってしまうような。読者の想像力が試される肉体的な極北「焚き火」と精神的な極北「蜜柑の皮」…小さな出来事が生死を分ける零下75度の極寒の世界の描写がこれでもかって続くジャック・ロンドン「焚き火」と、大逆事件の死刑執行当日、無実かもしれない人々が次々と死刑執行される直前を共に過ごした教誨師の語る尾崎士郎「蜜柑の皮」。
死がこのうえなく近づいてくる。
あとは吉田直哉「百足殺せし女の話(抄)」に寺山修司が出てくるけど、やっぱ言葉がいちいち強いなーとか、松本清張の「張込み」とそれを倉本聰が捕物帳にしたシナリオ「武州糸くり唄」が並んでて、読み比べて、うわあ…これ贅沢…ていうか清張の短編いいな!って改めて思った。

『教えたくなる名短篇』の方は、ヘンリー・ジェイムズはじめよく分からん短編が多くて、あと巻末対談読んでも納得のいかない発言があってもやもやしながら読んでたけど、長谷川修「舞踏会の手帖」が素晴らしすぎた。
回想がぽんぽん飛躍するのにシーンの繋ぎ方が自然で美しい。私小説っぽいのに幻想的な風景が混じってくるのがいい。
何故こんなに惹かれるのかっていうと、「死者を巡る旅」だからなのかなー。その中に少年期、青年期の友情とか父、戦争、故郷の記憶とか老年期の境涯とか含まれて中身がすごく豊か。一生のうちに1つでもこんな短編が書けるんなら、芥川賞とか取れんくても別にええやん…ってそんなわけにもいかんか。
もう1つ入ってた歴史ものも、どこまでが史実でどこまでが空想の飛躍なのか曖昧なのがとても好みだったので、長谷川修は改めて著作を探して読んでみたい。
あとはメモ。ターヒューン「青い手紙」読んだらなんっか最近こんなん読んだ覚えあったなーと思ったら、『怪奇小説日和』に入ってた「ボルドー行きの乗合馬車」だ。フランスの実話だったのかねー。
『謎の物語』探せたらモフェット「謎のカード」読んでみよう。

8月は例年あまり読書が進まなくて、ぼーっと歌集をめくっては寝落ちしてるけど、今年はさくさく積んだ本を読みたい。
posted by すずる at 16:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書メモ