2014年01月01日

12月に読んだ本

12月に読んだ本を読んだ順に

『ピサへの道』 イサク・ディネセン 白水Uブックス
『玩具店の英雄』 石持浅海 光文社
『日本SF短篇50 X』 ハヤカワ文庫
『サンタクロースにご用心』 シャーロット・マクラウド編 扶桑社文庫
『盤上の夜』 宮内悠介 東京創元社
『夢みる人びと』 イサク・ディネセン 白水Uブックス
『失踪者たちの画家』 ポール・ラファージ 中央公論新社
『in our time』 アーネスト・ヘミングウェイ ヴィレッジブックス

8冊でした。
クリスマスから大晦日までは特別な時間なので、読む本も今年買った中でも特別な印象を残しそうな本を中心に選んでいます。
白水Uブックスで始まった「永遠の本棚」シリーズをとりあえず買ってみて読んでみましたが、イサク・ディネセン、これすっっっげー好き。
小道具はゴシックなんだけど、登場人物が自分とは何か人生とは何かって考えるのと同じ真剣さで自身がお芝居の登場人物だと理解している不思議な距離感。自分自身が物語られることに自覚的っていうか。作中で語られてる物語の層がぐるんとなって現実がさっきまで語られてた物語になっちゃってるとか、わー。なんだこりゃー。
「ノルデルナイの大洪水」なんかほんと震えた。それから「猿」。なんなんだろうなーこれ。己の処女はもはや己の拳で守るのみ!っていう雄々しい乙女と、処女なんて全くいらないのに結婚しなければならない美青年の喜劇。グロテスクなんだけど、最終的に、えーっと…お似合いですね。みたいな。
他の著書も探そう……。

『日本SF短篇50 X』は2003〜2012年。かっこいいなあ。あっ、SFってかっこいいと思ってたんだって思い出した。
4までは傑作集ってことであまり意識してなかったけど近年の作品のせいかな、この並べ方には意図を感じる。読み手を巻き込む、今まさに未来がここに来ているよっていう。
「The Indifference Engine」は天然にかっこいい。「自生の夢」は『NOVA』で読んだ時と印象が違うなー、これもアンソロジーの醍醐味かもしれないけど、単に2回めだから理解がちょっと進んだのかも。
「人間の王」はすごく好き!「きみに読む物語」は挑発的ですごいなーこれ。「そう。SF」って言われたら恋に落ちるしかないでしょ。

で、「人間の王」があまりに好みだったので急遽これが収録されている『盤上の夜』を読んでみました。うーん、やっぱり「人間の王」が飛び抜けて好きかな、あと麻雀の話の登場人物たちの描写が楽しかった。

ポール・ラファージは柴田訳安心の信用買いで、またしても変な話だった……。いかにも寓話ですよ? と言わんばかりのとりとめのない展開にふわふわ読み終わったけど、読んだ後で話を再構成してみるとなんかとんでもないことが起きている話だったような気がしてくる。

そして、今年は『こころ朗らなれ、誰もみな』で始まったので、大晦日の締めの読書もヘミングウェイにしました。
『モンキービジネス』で1回読んでるので再読なんですけど、『心朗らなれ〜』を読んだ後だと、読み方が分かってきた気がします。
ヘミングウェイの文章は机に向かって推敲したというより、眠れない男が夜ベッドに横たわって天井を眺めながら同じ場面を何度も繰り返しているうちに結果的に研ぎ澄まされたという感じがする。

2013年に読んだ本は52冊、買った本は大体90冊でした。(家族が買った本は数えていない)
2014年はもう少しこの数字の差を小さくしたい、というか逆転しないとな。
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2013年11月30日

11月に読んだ本

11月に読んだ本はだいたい7冊でした。

『鋼』 ダン・シモンズ ハヤカワ・ノヴェルズ
『日本SF短篇50 V』 日本SF作家クラブ ハヤカワ文庫JA
『日本SF短篇50 W』 日本SF作家クラブ ハヤカワ文庫JA
『書店はタイムマシーン』 桜庭一樹 創元ライブラリ
『お好みの本、入荷しました』 桜庭一樹 創元ライブラリ
『MONKEY No.1』 スイッチ・パブリッシング
『オランダ靴の秘密』 エラリー・クイーン 角川文庫

日本SF短篇50は大体80年代〜90年代。私はミステリ比重の方が大きいので、90年代とかはだいたい新本格の時代だなーといううすらぼけた記憶だけど、Wあたりから既読が増えてきた。
2000年代に入ってから、早川のJコレクションとかハヤカワ文庫JAで、あっ、あとロバート・J・ソウヤーとかミステリ者にも話題になった本が出てきて、それで気になってSF読み始めたんだよな〜確か。
「引綱軽便鉄道」「くるぐる使い」「計算の季節」「かめさん」が好き。
しかし、SFの短編のアンソロジーってほんと色々あるなあ。次はゼロ年代日本SFベスト集成を読もう。

桜庭一樹の読書日記は、1と4を先に単行本で読んでしまい、2と3を文庫で買っておいていた。文庫化の時に、通し番号つけて欲しかったなー。読書日記1、とか。
エッセイも面白いし、読みたい本も見つかるしで言うことない。ほんと、本を好奇心をそそるように紹介できる人には憧れる。
特に3は短編集が多めだったのでたくさんメモした。

憧れる読書家って何人かいて、北村薫は先生、狐さんは優しい親戚のおじさん、ヘンリー・ミラーは大学のサークルOBみたいなイメージで、桜庭さんは女子高の部活の先輩って感じ……。

『MONKEY』の感想は別口で。
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2013年11月02日

10月に読んだ本

10月に読んだ本は8冊でした。

『ぶたぶた洋菓子店』 矢崎存美 光文社文庫
『日本の10大庭園』 重森千 祥伝社新書
『みんなの図書室 2』 小川洋子 PHP文芸文庫
『小鬼の市』 ヘレン・マクロイ 創元推理文庫
『ペンギン・ハイウェイ』 森見登美彦 角川文庫
『幻想小説神髄』 東雅夫編 ちくま文庫
『変調二人羽織』 連城三紀彦 講談社文庫
『半七捕物帳 4』 岡本綺堂 光文社文庫

ぶたぶたさんは、ストレスがたまりまくった時の癒やし用にとっておいてたら、最近それほどストレスたまってなかったので代わりにぶたぶたさんが貯まっていた。

重森千は重森三玲の孫だそうで、たまたま書店で見かけたので買ってみましたが、10大……と言いつつただメジャーな名園を並べてあるんじゃなくて、日本庭園の歴史を概観しつつ日本庭園とは何かというテーマを浮き彫りにして、なおかつ著者のこだわりの庭園鑑賞の視点も読ませてもらえるという至れり尽くせりの本でした。
印象に残ったのは西芳寺庭園で、応仁の乱で建築が失われて自然に返っていく過程にある、まさに廃墟の美であると共に、時間の経過によって新たな価値が生まれたってとこ。庭に何を見立て何を感得するか。人の手と自然のバランス、そして時間の経過。名園は連綿と名前も残らない人達の手によって保たれていること……。

久々に読んだ森見さんは、小学生の一人称になんかのれないなーと思いつつ読んでいたけど、最後はうっかり泣かされた。

最近、短編集を1日1編とかずつ読んでいくペースがちょうどよくて、なかなか長編に手が伸びません。
しかし11月は引き続き今年買った本を読んでいきたいところ。
 
 
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2013年10月01日

9月に読んだ本

9月に読んだ本は5冊でした。

『フランス白粉の秘密』 エラリー・クイーン 角川文庫
『孤独な散歩者の夢想』 ルソー 新潮文庫
『白戸修の逃亡』 大倉崇裕 双葉社
『60年代日本SFベスト集成』 筒井康隆編 ちくま文庫
『人外境ロマンス』 北山猛邦 角川書店

国名シリーズは角川文庫の新訳でじわじわ読んでます。

なんでいきなりルソーかっていうと、前の月に読んだアンソロジーに入ってたモーパッサンの「オルラ」を読んで、青柳瑞穂の訳文をもっと読んでみたいと思って、適当な厚さの(薄い)やつを買ってみたんですが、ルソーが思ったよりいけすかない奴で苦戦しました。孤独孤独っていうけど、お前、嫁いるやん……みたいな。
よく考えてみたら、おとなしくモーパッサン探して読めば良かったんじゃないか?

白戸シリーズの最新刊は長編で、主に中野で「逃走中」。前作を読んだのけっこう前だったので、登場人物の思い入れが若干うすれていたので、シリーズ読みなおしてから読めば良かったです。
まだ大団円じゃないよね?このシリーズまだまだ読みたい。

筒井康隆編のSFアンソロジーは、この前に読んだ『日本SF短篇50』の60年代〜のとは「ハイウェイ惑星」と「大いなる正午」が被ってた。
星新一のセックスセックs…「解放の時代」は笑った。あとは半村良の「H氏のSF」、眉村卓の「わがパキーネ」、あと山野浩一やっぱり好きだなあ。なんとなく着想の面白さが際立ってるものが多く感じた。

北山猛邦は相方が買ったやつを紙カバーついたまま帯も見ずに予備知識なしで読んだので、ミステリ色が薄くて最初「あれっ?」てなった。
人と人外のラブストーリー短編集……だけど、ところどころで密室からの消失とか入り込んでくるあたりがやっぱり北山さんだなーという感じ。
しかしラブストーリー的なものは読むと顔がによによしてやばいっす。

去年から今年くらいで買った本で読んでないのをダンボール箱などにまとめなおしたら、2箱……くらいに収まりました。多分100冊くらい?
まだ取り戻せるはず、というわけでしばらくは少し冊数を減らすべく努力してみます。
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2013年08月31日

8月に読んだ本

8月に読んだ本は3冊でした。

『NOVA4』 大森望編 河出文庫
『海底バール』 ステファノ・ベンニ 河出書房新社
『怪奇小説精華』 東雅夫編 ちくま文庫

8月はなんとなく歌集をつまみ読みする習慣ができてきたので、小説は短篇集とかアンソロジーを1編ずつ読む感じで。
NOVA4は今回は斉藤直子「ドリフター」に全てもってかれて他の短編は少し印象が薄かったなー。SFミステリっぽいものもあったけど、なにかこー、違うんだよな、ツボが……。
斉藤直子の単行本出ないかな。

『海底バール』は、バールに集まった人々がへんてこな話を語るという見るからに好みの短篇集。クラーク白鹿亭の、ホラ成分高めというか。
面白すぎるから1日2話とか大切に読んでたんだけど途中で止まらなくなってしまったー。お前もソンパッツォ村産か!とか話し手の個性に合わせて違う語り方とかほんとよかった。
好きな話選ぶとすると「恋する宇宙人」、「オレロン」、「サン・ロレンツォ島の守護神」かな。
各話の最初にちょっとした引用があるんだけど、最初に出てきたのがマヤコフスキーで、昔フラれたけど今でも大好きな人に再会してあは…かわんないねー相変わらずイケメンだねーなんか涙出てきた…みたいになってしまったそんな人おらんが。

『怪奇小説精華』は、他のアンソロジーで読んだものも何本かあったけど、翻訳者が違うものが多くて新鮮な気持ちで読めました。
以下はツイッターに呟いてた感想まとめ。

プーシキンの「スペードの女王」前に綺堂訳で読んだ時は凄いドラマ的なドーンってなってババーン!って感じ(漫画でいうなら藤田和日郎みたいな印象…)だったのが、神西清訳で読んだら舞台や情景の描写とか、帰宅を待つゲルマンとか何も起こってない時の描写が印象が強かった。静かでおそろしい。
エドワード・ブルワー=リットン「幽霊屋敷」平井呈一訳、これまた私は前に岡本綺堂訳「貸家」として読んでいたんだな、今度は平井呈一訳。って、うろ覚えだけど、「幽霊屋敷」の最後の方って「貸家」にはなかったよね? この最後の最後で、印象ががらりと変わった。
若く、健康な精神を持ち、黒幕にも堂々と対決する蛮勇といっていい勇気を持った青年が、最後の最後で、手紙にほのめかされたほんの数行に精神的に屈する。そこに痺れた。鳥肌立った。
『アッシャア家の崩没』龍膽寺旻訳
「猛烈に荒れ狂うて吹き入る飆風は、我々を殆ど床から掬い上げるばかりであった。其夜は狂暴にして且つ壮麗、その怕しさ、その美しさ甚だ奇異なる一夜であった。」そして「僕は、こんな憐れな馬鹿々々しい目にあって死んで行く」
「クラリモンド」芥川龍之介訳。一目で若い僧侶の魂を恋という煉獄に落とす彼女の美の過剰なまでの描写がもう。
「「死」も彼女にとっては、最後の嬌態に過ぎないのである。」クラリモンド、この訳文の全ては彼女に相応しい。
「背の高い女」ペドロ・アントニオ・デ・アラルコン。なんかこの、悪意が語り手に向けられそうになる怖さって読み手にも来そうな感じがしていいなあ。白水uブックスの『スペイン幻想小説傑作集』は今度読んでみよう。
モーパッサンの「オルラ」。なんつっても住んでる田舎や旅に出かけるサン・ミッシェル山やパリの描写がいいー。世界は美しく人生は素晴らしく、だから新たに来たる者にこの場を明け渡さねばならない現実は陰惨だ。
あと、青柳瑞穂の訳が凄く好きだな。恐怖の時間が過ぎた後、
「やっと、眠る、しずかに、明け方まで。」
この崩壊していく感じ、理性が眠りに溶けてく感じ。この人の訳は他にも読んでみたい。『孤独な散歩者の夢想』とか。
W・W・ジェイコブズの「猿の手」。本物を読むよりいろんなところで要約されたのを読んだ回数の方が全然多いっていう。改めて読んでみると不穏で、仄めかしというか想像の余地がありすぎる感じがいろんな人に言及したくさせるのかねえ…。
posted by すずる at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書メモ