2012年12月08日

乱歩

好きな作家って言われてすぐに名前を上げる作家さんじゃないんですけど、なにか特別な時に読みたくなる作家さんの一人に久世光彦がありまして、『一九三四年ー乱歩』を再読してました。3回めか4回めの再読。
改めて、これを書くのはすごい野心ですよなあ。
満都の読者よ、冬の一夜、大乱歩の『梔子姫』に酔え!

ですよ。
最初に読んだ時は大学生で、その時と大きく違うのは、探偵小説作家を少しは読んで知って、だいぶ名前に意味が出てきたことだなー。
最初読んだ時は横溝とか小栗虫太郎くらいしか読んでなかったし。
浜尾四郎がどんどんいいやつに見えてくる。

それで、ここ数年もしかして、と思ってることがあるんですけど、私、乱歩はわりと読んだつもりでいたんですが、実は有名な長編読んだことない?
ポプラ社のは小学生の時にあらかた読んでいて、あと1冊だけ小学校の図書室に文庫が置いてあったんですよね。多分、新潮文庫の短編集。
それで、初めて「押絵と旅する男」とか「芋虫」とか読んだのは強く覚えてるんですけど、パノラマ島とか孤島の鬼とか陰獣とか読んだ記憶があるようでないよ?
読んですっかり忘れてしまっている可能性もあるんですが。あんなに夢中で読んだ少年探偵団だって、なんも思い出せないし。

とりあえず、これをタイトルで買って読んだり、乏しいコヅカイをやりくりして「RAMPO」を映画館に見に行ったりしたくらいには好きだったと思うのに。
まあ映画も、竹中直人がナントカだよ、横溝くんって言った声しか覚えてない。

しかも家にもあまり文庫ないしな。高橋葉介が表紙の文庫は集めてたからちょっとあると思うけど。
というわけで、近々長編読んでみようかと思います。

今回読んでいて思い出したのは、小春日和のぽかぽかした図書室で「芋虫」を読んで、これを読んだことは誰にも言えないという気持ち。
今じゃ読んだもの片っ端からネットに垂れ流して平気な体ですが、このお話は私と作者と登場人物だけの秘密、っていうよろこび。これもまた読書の楽しみと思いました。


 
posted by すずる at 15:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書

2012年11月27日

好きな100冊(ミステリで・再び)

文春文庫の『東西ミステリーベスト100』には大学生の、まだ現役ミス研だった頃にお世話になったので、思い出深いです。
今やミステリについて語る機会もあんまりない中途半端な本読みになってしまったんですが、2012年版が出たってことで、とりあえず既読だけチェック。
既読は国内57、海外44でした。もっと読んでるかなーと思ったけど、それほどでもなかった。

そういえばわりと最近、好きなミステリ100冊って考えたなあ、と思って見返してみたら、あれっ、なんでこれが入っててこれが入ってないんだろうっていう、元々思い入れ重視してますが、多分、絶対にランキング入り必至みたいな本をちょっとだけ避けたんでしょうな、ほんの5ヶ月前だけどコザカシイ私。

というわけで、好きなミステリ100冊を、ちょっとやりなおしで暫定版。なんか自分だけが楽しい遊びですが、ちょこちょこ直すかも。

あと、もし自分が投票するなら

国内
『亜愛一郎の狼狽』 泡坂妻夫
『匣の中の失楽』 竹本健治
『彼女が死んだ夜』 西澤保彦
『ゴーレムの檻』 柄刀一
『斜め屋敷の犯罪』 島田荘司

海外
『ナイン・テイラーズ』 D・L・セイヤーズ
『第二の銃声』 アントニイ・バークリー
『Xの悲劇』 エラリー・クイーン
『招かれざる客たちのビュッフェ』 クリスチアナ・ブランド

って感じかなあ。クリスティとチェスタトンはどれに投票するか決めきれない。


『ホームズのいない町』 蒼井上鷹
『地底獣国の殺人』 芦辺拓
『砂漠の薔薇』 飛鳥部勝則
「赤い密室」 鮎川哲也
『孤島パズル』 有栖川有栖
『亜愛一郎の狼狽』 泡坂妻夫
『しあわせの書』 泡坂妻夫
『死者の輪舞』 泡坂妻夫
『ラッシュライフ』 伊坂幸太郎
『金雀枝荘の殺人』 今邑彩
『正月十一日、鏡殺し』 歌野晶午
「押絵と旅する男」 江戸川乱歩
『福家警部補の再訪』 大倉崇裕
『とむらい機関車』 大阪圭吉
『冥王の花嫁』 奥田哲也
「A MASKED BALL」 乙一
『三月は深き紅の淵を』 恩田陸
『球形の季節』 恩田陸
『不確定世界の探偵物語』 鏡明
『天啓の器』 笠井潔
『スティームタイガーの死走』 霞流一
『魔法飛行』 加納朋子
『真実の絆』 北川歩実
『怪人二十一面相・伝』 北村想
『顔のない男』 北森鴻
『孔雀狂想曲』 北森鴻
『『瑠璃城』殺人事件』 北山猛邦
『絡新婦の理』 京極夏彦
『逃げ水半次無用帳』 久世光彦
『絃の聖域』 栗本薫
『霧に溶ける』 笹沢左保
『奇想、天を動かす』 島田荘司
『斜め屋敷の犯罪』 島田荘司
『匣の中の失楽』 竹本健治
『fの魔弾』 柄刀一
『ゴーレムの檻』 柄刀一
『A先生の名推理』 津島誠司
『キリオン・スレイの再訪と直感』 都筑道夫
『誘拐作戦』 都筑道夫
『大誘拐』 天藤真
『非在』 鳥飼否宇
『痙攣的』 鳥飼否宇
『虚無への供物』 中井英夫
『新人文学賞殺人事件』 中町信
『彼女が死んだ夜』 西澤保彦
『聯愁殺』 西澤保彦
『ふたたび赤い悪夢』 法月綸太郎
『1/2の騎士』 初野晴
『天空の蜂』 東野圭吾
『六色金神殺人事件』 藤岡真
『九十九十九』 舞城王太郎
『ヴィーナスの命題』 真木武志
『首無の如き祟るもの』 三津田信三
『藤田先生のミステリアスな一年』 村瀬継弥
『キッド・ピストルズの妄想』 山口雅也
『ミステリ・オペラ』 山田正紀
『十三角関係』 山田風太郎
『獄門島』 横溝正史
『クライマーズ・ハイ』 横山秀夫
『インシテミル』 米澤穂信
『夜よ鼠たちのために』 連城三紀彦
『古書店アゼリアの死体』 若竹七海
『毒薬の小壜』 シャーロット・アームストロング
『ハムレット復讐せよ』 マイクル・イネス
『堰の水音』 メアリ・インゲイト
『論理は右手に』 フレッド・ヴァルガス
『犬は勘定に入れません』 コニー・ウィリス
『緑のカプセルの謎』 J・D・カー
「影が行く」 ジョン・W・キャンベル
『Xの悲劇』 エラリー・クイーン
『ゴルフ場殺人事件』 アガサ・クリスティ
『杉の柩』 アガサ・クリスティ
『謎のクィン氏』 アガサ・クリスティ
『五匹の子豚』 アガサ・クリスティ
『お楽しみの埋葬』 エドマンド・クリスピン
『死の月』 シャーロット・ジェイ
『カリブ諸島の手がかり』 T・S・ストリブリング
『黒い霊気』 ジョン・スラデック
『ナイン・テイラーズ』 D・L・セイヤーズ
『学寮祭の夜』 D・L・セイヤーズ
『ブラウン神父の秘密』 G・K・チェスタトン
『詩人と狂人たち』 G・K・チェスタトン
『ポンド氏の逆説』 G・K・チェスタトン
『エステルハージ博士の事件簿』 アヴラム・デイヴィッドスン
『シャーロック・ホームズの冒険』 コナン・ドイル
『第二の銃声』 アントニイ・バークリー
『アデスタを吹く冷たい風』 トマス・フラナガン
『招かれざる客たちのビュッフェ』 クリスチアナ・ブランド
『キルン・ピープル』 デイヴィッド・ブリン
『ジャックは絞首台に!』 レオ・ブルース
『革服の男』 E・D・ホック
『誤算』 ジョイス・ポーター
『殺人にいたる病』 アーナス・ボーデルセン
『幽霊の2/3』 ヘレン・マクロイ
『編集室の床に落ちた顔』 キャメロン・マケイブ
『スイート・ホーム殺人事件』 クレイグ・ライス
『眠りをむさぼりすぎた男』 クレイグ・ライス
『偽のデュー警部』 ピーター・ラヴゼイ
『捜査』 スタニスワフ・レム
『ジョン・ブラウンの死体』 E・C・R・ロラック
posted by すずる at 21:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書

2012年07月05日

南極点のピアピア動画

多分、ニコ動っぽいもの、それも綺麗なジャイアン……じゃなくて、綺麗なニコ動というか、あり得る理想的なニコ動っぽいものの連作短編集。

全力で遊ぶ匿名の人々が集まることで、わりと身近な「面白そう!」があれよあれよという間に宇宙に届いてしまうという……なにこれ燃える。
こんなの、最高にわくわくします。

理系男萌えの私としましては、最初の話と最後の話に出てくる郁夫くんにちょう萌えました。同じ嗜好の方におすすめしたい。

 南極点のピアピア動画
 著者:野尻 抱介
 出版社:ハヤカワ文庫JA
 発売日:2012-02-23
 価格:¥ 651
 ISBN:4150310580

 【Amazon
 
posted by すずる at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書

2012年07月04日

小指の先の天使

神林長平は特別だ。
そりゃもう、扉ページから。

壜をたたき割れ
世界を開くとき
幽霊は消え去る


予言のような意味深な宣言から始まる連作短編集。
といっても、読んでいてこれらの短編が同軸の線上にあると気づいたのはだいぶ後だった。
特定の人物の自我が、思惟が、より大きな単位の世界、時間への考察へと軽々とはばたいちゃうこのダイナミックさ加減がですね……なんとも……かっこいい!
旧約聖書を思わせる「抱いて熱く」から、「意識は蒸発する」まで、いったいどれだけの時間が流れ世代が交代したのかと思うと、気が遠くなる。

そして読み終えた後、最初の扉に戻る。ああ。

たまたま今読んでる大森望の『21世紀SF1000』では

『順列都市』以後の人工現実SFを考える上でも避けて通れない一冊。


って書いてあった。なるほどなるほど……よし、今度は『順列都市』を読んでみよう。

 小指の先の天使
 著者:神林 長平
 出版社:ハヤカワ文庫JA
 発売日:2006-03
 価格:¥ 735
 ISBN:4150308411

 【Amazon
 
posted by すずる at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書

2012年06月19日

訃報

梅雨に入ったと思ったら台風が襲来なんて。

レイ・ブラッドベリの訃報のニュースを6日夜に目にして、最近買った『お菓子の髑髏』を読んでいたら、昨日は6/8に赤江瀑さんがお亡くなりになったというニュース。なんとなく訃報って続くなあ。

私が中学生くらいの頃、ブラッドベリって、オシャレなお姉さん世代が読んでるイメージで、そんなイメージに意味もなく反発して無理してディックとか読んでだめだSF分からないってなったという、どうでもいい記憶。

結局初めて読んだのは、20代半ばくらいだったかなあ。
『何かが道をやってくる』を読んで、これ大好き! ってなって、やっぱり読まず嫌いはダメ絶対。

赤江瀑もずっと前に、好きだと思うってお勧めされて、それ以来買い集めてはいたんだけど読んでなかったので、この機会にと『虚空のランチ』を出してきた。
 
posted by すずる at 23:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書