2012年05月27日

最近読んだ漫画と千年ジュリエット

5/24は横溝正史生誕110周年だったそうで、何か読もうかと思ったけど適当な本が家になかったので本屋で『殺人鬼』を買ってきた。
ほとんど中学生の頃に読んだきりで、どれが読んでないのかもよく分からないので、少しずつ読み返したいなあ。

『失恋ショコラティエ』の5巻が出ていたので買ってきた。
主人公が甘めな分、周辺がちょっとビター。苦いは美味しい。
サエコさんもえれなも可愛くてふわふわしているけれど、嵐の前の静けさというかすんごいカタルシスが近づいてそうでハラハラするなあ。
リクドーさんがもはや癒し。

『ミュジコフィリア』の2、3巻は、期待通りの面白さだった。良かったー。
3巻帯の「才知が勝手にほとばしる作曲家の卵たち」って言葉がいいな。

世界を音として認識する朔の秘密が少し明かされ、同じ感覚を共有する凪との出会い、それから色んな甘酸っぱいできごとがあり……。
現代音楽というと、実際に聞いたら「よく分からん」となるかもしれないし、主人公の朔が見ている世界は未知の世界なんだけど(作品中で何度か出てくる「未聴感」というキーワードもテーマとして関わってくるんだろうな)、読んでいてこの作品の風景には溶け込める。溶け込みたい。
サークルに入り、ステージの客席に座り、京都の町並みを歩き、クラブで踊りたい。
そして、記念的で印象的なラストシーンで、輪の中に入っていって拍手したい。両腕を振り上げてこみ上げる感情を共有したい。
ステキ。

 

本は、初野晴の『千年ジュリエット』を読んだ。
ハルチカシリーズ4冊目。
今回は1冊を通して文化祭で、吹奏楽部以外の部活の活躍が主。
何かに夢中になって打ち込む高校生の晴れ舞台、全体的に楽しそうでいいなあ。
今回は最初に提示される謎も興味を引くもので、面白かったです。
シリーズ最初から読み返したくなったぞ……。

 千年ジュリエット

 著者:初野 晴
 出版社:角川書店
 発売日:2012-03-31
 価格:¥ 1,785
 ISBN:4048742272
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2012年05月22日

今日買った本と読んだ本

注文していた本が届いた。

『猿猴』 田中啓文 講談社文庫
『お菓子の髑髏 ブラッドベリ初期ミステリ短篇集』 レイ・ブラッドベリ ちくま文庫
『ブラス・クーバスの死後の回想』 マシャード・ジ・アシス 光文社古典新訳文庫

ついったーで見かけて面白そうかなーと思った本など。
あと、ミュジコフィリアの2、3巻。

それから、しょーじくんに『サターン・デッドヒート』を譲っていただきました。ありがとうございました!
やっと読める……!

読む方は、柴田元幸の『舶来文学 柴田商店』。
だいたい92年〜97年、著者30代後半〜40代前半に書かれたエッセイ、書評など。

活字は読みたいんだけど、あまり集中する気がなくて、興味をかきおこしてくれる何かをぼんやり待ちの姿勢でいるときに、本についてのエッセイをよく読みます。

面白げな本をメモしたり、気の利いた言い回しをメモしたり。

最良の瞬間には悲劇と喜劇が両立してしまうような自虐性


とか、分かりそうで分からなさそうで何かすごいこと言ってそうな。

自分が著者の年齢になったとき、どれほどの本を読んでいて、どれだけの文章が書けるかなあ、とふと考えたり。
ついったーとか見るとたくさん読んでる人がいっぱいいて、知らない作家の知らない作品を語ってる人がいっぱいいて、何年か前だったら自分があまりに無知に思えて焦燥でいっぱいだったけど、今はどうなのかな。

興味の赴くままに読むことは今でも大切にしているけど、選択する前の段階でこれは読まないと切り捨ててるジャンルがかなり増えたように感じます。

本でも漫画でも映画でも積み重ねるように消化していって、自分自身の経験も少しずつ層を重ねて視野は広がったような気もするんですが、結果的に世界を狭めているような……あっ、これが井の中のカワズってことか?

5年後、10年後の自分に「あの頃もっと読んでれば」って言われないように、それなりの分量は読みたいな、やっぱり……と思いました。

以下は読みたくなった本メモ。
『バーナム博物館』『マウスIIアウシュヴィッツを生きのびた父親の物語』『夢のなかの夢』『誰がドルンチナを連れ戻したか』『バード・アーティスト』「古代の遺物」(ジョン・クロウリー/『夜の姉妹団』収録)「同郷人会」(メルヴィン・ジュールズ・ビュキート/『いずれは死ぬ身』収録)

あとはジュリアン・バーンズとリチャード・パワーズ。

 舶来文学 柴田商店―国産品もあります
 著者:柴田 元幸
 出版社:新書館
 発売日:1997-12
 価格:¥ 1,890
 ISBN:4403210619

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2012年05月17日

最近読んだ本

うっかり炭酸を飲んだら、のどに沁みすぎたー。

新☆ハヤカワ・SF・シリーズはついていくぞーと意気込んで買っておいた『リヴァイアサン』。
シリーズが続くらしいと聞いて、長いのはちょっとしんどいと思って放ってたけど、読み始めたら久々の一気読みだった。面白かった。

機械が発達したクランカーと遺伝子操作が発達したダーウィニストの2つの文化が激突する第一次世界大戦……。
歴史改変と少年少女の大冒険でおなかいっぱいになるくらいわくわくした。

両親を暗殺されてストームウォーカーに乗って必死の逃避行を始める公子と、空を飛びたいばっかりに性別を偽って空軍に飛び込んじゃう女の子……うーん、おいしい。

そういえば、聖刻1092シリーズどこまで読んだかなー。久しぶりに読みたくなった。

あとは三津田信三の『六蠱の躯』と山本弘の『名被害者・一条(仮名)の事件簿』を読んだ。
私は好きデスヨ……。

 リヴァイアサン クジラと蒸気機関

 著者:スコット・ウエスターフェルド
 出版社:早川書房 新☆ハヤカワ・SF・シリーズ
 発売日:2011-12-07
 価格:¥ 1,680
 ISBN:415335001X

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2012年05月07日

バレエ・メカニック

津原さんの小説の感想を書くのは難しい。
ヘタなことを書いて、未読の人に陳腐な印象を植え付けてしまったら、それはもう罪悪だ。

7歳から脳死寸前の植物状態だった少女の失われた大脳を「東京」という都市が補完する、まるでシュールレアリスムの絵画に迷い込んだような異常事態を描く1話目。
その描写自体凄かったのに、それから時が流れて事件が遠い記憶となり、少女の断片を探し求める2話目、3話目がまた津原さんの本領発揮という感じ。

直接語られない部分、仄めかされる感情、行間が豊かなんだな。

同性愛だったり近親姦だったり異性装だったり男娼だったり登場人物たちはどこかしら一般的な社会規範から外れていて、けれど狂人には狂人の論理があると最初に読んだのはどこだったか忘れたけど、それぞれがそれぞれの目的を、人とは違う自分のルールを持っている。

傍観者から見たらそれぞれ凄まじい人生を、読者の感慨すらどこ吹く風で意固地に貫き通した果てに連れて行かれた風景は、なんとも言いようのない美しさがある。

 バレエ・メカニック
 著者:津原 泰水
 出版社:ハヤカワ文庫JA
 発売日:2012-01-25
 価格:¥ 693
 ISBN:4150310556

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2012年05月03日

地図集

『地図集』(董啓章)を読んだ。

「少年神農」は私的短編ベスト入り。
神話が最強の毒を探す少年と少女のロードノベルになっちゃうのも素敵だし、茶畑に戻った時なんかの描写もさらっと書いてるのにすごくいい。
後でページ数を確認して、読後感に対して少なくてびっくりした。濃密。

「永盛街興亡史」も好みだなあ。
3人の女と街の歴史、時間が混沌としてとてもいい。血の繋がりも心の繋がりも記憶も歴史も家も現在のアイデンティティも街そのものも静かに失われていく。
あーきゅん、うぇんしー、と女の名を声に出して静かに呼びかけたくなる。

「地図集」は地図を読むことは歴史を、物語を読むこと。
発想の面白さもあるけれど、ユーモアより香港という都市はこういうアイデンティティを生むのか、と気づかされる感じ。
遠い過去を語るような体裁だけど、切れば血が出そうに生々しい。

それはあのどこまでも伸びていく権力の外に存在し、すなわち、それは存在などしないということになるのだ。
存在しない場だけが占有されない。


香港の作家の小説の直接邦訳というのはこの本が初めてだそうで(今まであったのは英訳からの和訳だそうで)、そういえば直接旅行で行ったことはないけど友人の旅行話を聞いたり、香港映画とか香港が舞台となった作品やゲームをやったりして香港そのものに感じていた距離感はそれほど遠くなかったのに、そのわりに香港が生んだ作家って全く知らないことに改めて思い当たると不思議な感じがする。
もっと読みたいな。

 地図集
 著者:董 啓章
 出版社:河出書房新社 単行本
 発売日:2012-02-21
 価格:¥ 2,520
 ISBN:4309205895

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