2014年09月06日

最近見た映画

最近でもないんですが、映画館で見た映画の感想を書いておきます。

ウェス・アンダーソン監督の『グランド・ブダペスト・ホテル』
今は客も少なくなり廃墟一歩前のホテルで、滞在している作家が謎めいたオーナーと出会いかつてホテルが栄華を誇った時代の話を聞くという導入から、伝説のコンシェルジュとボーイ見習いの少年の、老婦人の死と遺産相続を巡る冒険が始まる。
高貴な客を性的な意味でもてなす紳士な上司と、戦争で故郷をなくした中東系の少年(まだ髭も生えてないのでペンで描いている)の組み合わせが面白い。
薄暗くて退廃的な映像、黒いユーモアも多めだけど、テンポが妙によくて…まるでピタゴラスイッチみたいに…サスペンスコメディって言ったらいいのかな〜、話がどう転がっていくか見えなくて、飽きる暇がなかった。不思議な映画。

シルヴァン・ショメ監督の『ぼくを探しに』
主人公は2歳の時に両親が死んだショックで喋れなくなり、今は叔母2人のダンス教室を手伝いながらピアノコンテストに挑戦している青年。
インドでブッダに出会ったという現代の魔女みたいなマダム・プルーストに謎のハーブ茶を飲まされて(マドレーヌで味をごまかすっていう)過去の記憶を探り始める。
過去の記憶も、現在の人間関係も、真実は常に一つ、なのかもしれないけど、見方によって大きく変わるというのがよく分かるように、主人公を取り巻く人たちの見え方が、行動は同じなのに変化していく描写がすごく自然で、それから音楽が素晴らしい。
ピアノに寄り添ってくる胡弓の美しさ、ウクレレを弾く雨だれ。
見終わって最後に残るのは友情だなー。とてもさりげなくべたつかない距離感なんだけど、確かに残る。
悲しい瞳と言われる主人公の笑顔の美しさ。
そういえば主人公とその父親は1人2役っていうのが、髪型と演技でここまで変わるんだなーっていうのがすごい。
これはサントラ買う。

あと『思い出のマーニー』見ました。
posted by すずる at 22:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画

2014年04月30日

最近見た映画

今年に入って見た映画もメモ。
地味にテアトルの株主なので、優待券を使ってぼちぼち見に出かけています。

今日はシネ・リーブル梅田でエドガー・ライト監督の『ワールズ・エンド』を見てきました。
ウルジャンの映画のコーナーで紹介されてて見てみようと思っていたもの。
ヤンチャしてた高校生が40代に入って故郷の町でやり残したこと(パブ12軒ハシゴ)をやろうと集まって、飲みながらよくわからんけど世界を救うらしいっていうよく分からない。
気がついたらSFになってるんですが、おっさんらがかつての友情を取り戻していったり、といってもただイイ話だなーってわけでもなくてそれぞれ仲の良かったグループでもヒエラルキーがあって微妙な温度差があったり、かなり皮肉も効いていて、荒唐無稽な設定の中で妙にリアルな人間関係。
私は男の友情みたいなのに弱いんで普通に楽しんだけど、男性が見たら学生時代の立ち位置によって主人公への好感度がけっこう変わりそうな気がする。5人の仲間の誰の立場かで。
見所はもちろん、堅物弁護士になってたアンディがかつての暴れん坊へと覚醒していく演技っすね。あとイギリスっぽさ全開のユーモアとか、そういやパンクが生まれた国やわ、という納得感とか。SHERLOCKのジョンが5銃士の1人として出てます。

あと今年見に行った映画を簡単に…

ジュゼッペ・トルナトーレ監督の『鑑定士と顔のない依頼人』。
廃墟手前の屋敷、謎めいた依頼人、鑑定士の主人公が取り扱う美しい物。匠の技か、って感じのどこを切っても美しい画作り。
ミステリ脳全開で見たから伏線は大体拾ったと思うけど、車から発見したアレはなんに使ったのかなー。
最後のシーンの解釈は見る人に任されてるので、けっこう真逆の感想を見かけましたが、私はハッピーエンド派。

ヤセミン・サムデレリ監督の『おじいちゃんの里帰り』。
ドイツに出稼ぎ労働者として行ったトルコ人の一家が里帰りする話。
主人公のおじいちゃんが里帰りを言い出して、大家族がごたごたする現在と、過去のおじいちゃんが若い頃の出稼ぎ時代の描写が交互に語られる。
ユーモアの中に異文化の出会いや移民二世、三世のアイデンティティなど深くてキレのある台詞が入ってきて、これって脚本がすごくうまいんだろうなー。
いい映画だった。うん、なんかきれいすぎるかなって感じもするけど、家族のマイナス面を強調して描かなきゃリアリティがないっていうもんでもないだろう。なんだかんだあったけどユーモアを失わず、いい家族だって言える方がずっといい。それにトルコの田舎の風景がすごくいい。DVD出たら買おう。

ペドロ・アルモドバル監督の3人のオネエ…じゃなくて『アイム・ソー・エキサイテッド!』。
着陸できない飛行機に閉じ込められたワンシチュエーションコメディ。
ここにいる全員の運命が変わる!性的な意味でな! やー久しぶりにB級らしい映画だったなー下ネタ多めでちょっと家族のいい話があって、オネエに癒される系。

それからレンタルで『八つ墓村』を…映画のトヨエツ版、松竹の渥美版、78年のドラマ古谷版と見たり、龍平さんが見たくなって「まほろ駅前多田便利軒」を見たり、「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」、「8人の女たち」、「ジャガーノート」はすごく良かった。
posted by すずる at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画

2013年09月25日

ポルトガル、ここに誕生す

シネリーブルで『ポルトガル、ここに誕生す』(公式サイト)見てきた。
ギマランイス歴史地区、「この街はどんな物語を語るべきなのだろう?」という問いかけに応える4人の映画監督の競作。

ギマランイスの知識をwikipediaからちょっとコピペ。
ギマランイス(Guimarães)は、ポルトガル北西部のブラガ県にある都市。ポルトガル王国初代国王アフォンソ1世(アフォンソ・エンリケス)が当地で誕生していることから、ポルトガル発祥の地、ポルトガル王国の発祥地と呼ばれる。
2001年、歴史的文化財を残すギマランイス旧市街は「ギマランイスの歴史地区」としてユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録された。


1 「バーテンダー」アキ・カウリスマキ

街の隅っこの(多分)流行らないバルのバーテンダーの1日。
美しい青い壁、青い床、青い皿。

2 「スウィート・エクソシスト」ペドロ・コスタ

内戦?で死んだ兵士の幽霊との会話劇みたいな……。
歴史の知識がなかったので、ちょっと理解が追いつかなかった。

3 「割れたガラス」ビクトル・エリセ

かつて欧州第2の紡績工場で、今は廃墟となった跡地で、かつての従業員たちが過去を語る。
1人1人の個人的なエピソードが、今はアジアが主な舞台となっている生産工場を彷彿とさせ、世界の広がりと現在と未来への問題提起になっているのが見事。
ビクトル・エリセの撮った、喜びよりも苦痛をより多く知る人々の皺を刻んだ顔。おばあちゃんの顔が過去を語るうちに笑顔からなんとも言えない苦痛の表情に変化する、その印象は鮮烈だった。

4 「征服者、征服さる」マノエル・ド・オリヴェイラ

ポルトガル誕生と街の名所を撮りながら「世界遺産」みたいにはならない軽妙な作品。

4作とも単純な観光映画でもなく歴史映画でもなく……でもなんだろうな、全体的に、笑顔の不在。孤独、傷痕を感じさせる。
そこは美しい街なのに。
 
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2013年09月19日

サウンド・オブ・ノイズ

シネリーブルのレイトショーで「サウンド・オブ・ノイズ」見てきた。6人のいかれたドラマーの音楽テロと1人のいかれた警官の話。
スウェーデンの映画、監督はオラ・シモンソンとヨハネス・シェルネ・ニルソン。

映画の中で奇跡が起こっている。街が音楽になる光景を確かに見た。

音楽テロのパーカッションが好みで、ドラマー4人のバトルももっと見たかったな。
クズみたいな音楽で溢れた街に逆襲を!っていう音楽テロリストと、音楽家一家に生まれた音痴で音楽アレルギーで静寂という音楽を欲する警官の理解は重ならないけど、結果的にこの映画は凄い場所へ連れて行ってくれた。

最後のあのオーケストラのシーンまで、徹底的に皮肉なディスコミュニケーションにも取れるけれど、あの光景を見ちゃったからにはもっと肯定的に捉えたい。
弟のあの笑みは、兄の中にちゃんと兄の音楽があったということを知ったからと取りたいな。音楽に囚われた者としての共犯者としての笑み。

DVDかBD出たら買う。
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2012年10月12日

カンパニー・マンとドラキュラ

今週は録っておいたものを色々消化。
柘植文の『野田ともうします。』の3期が始まる直前に2期を一挙放送してたのを録画してたので、だらだら流し見。
なんといっても俳優さんの原作再現度がすごい。
副部長とかもう副部長にしか見えない。

3期も2話見ましたが、変わらぬクオリティで素敵です。
そろそろDVD買ってもいいレベル。

ジョジョアニメ1話も見ましたが、これは……なに、ダイジェスト?
適切に原作の名言を差し挟めばそれはジョジョと言えるのか?

それから先週の土曜に借りてきた『カンパニー・マン』と『ドラキュラ』も見ました。
両方とも、吹き替えの声優さん目当てで……大塚芳忠さんにすごくすごくはまってしまったのですよ。
『カンパニー・マン』の方はビンチェンゾ・ナタリ監督ってことで映画館で見てたので2回目。
企業スパイのスリルを楽しむ平凡な男が次第にややこしい立場に巻き込まれていくんですが、まあちょっとやっぱりややこしすぎますわな……。
ジェレミー・ノーサムはいい男だあ。

『ドラキュラ』は、伯爵とミナの前世が夫婦という設定で、いやあ……ううん、ロマンス中心にしちゃって「真実の愛!」とか言っちゃってんのがアメリカっぽい。
ヴァン・ヘルシングの狂気が強調されてるのはドラキュラ伯爵側が「真実の愛」サイドだからそうなったんでしょうけど、原作でも狂気の雰囲気を感じてたのでわりと好きです。
いやあ、うん、前にドラキュラ伯爵を見たのが『ノスフェラトゥ』だったから、余計派手に見えるね。

ベラ・ルゴシのドラキュラとクリストファー・リーのドラキュラもいつか見よう。
posted by すずる at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画