2017年02月16日

博物館講座

興味のある博物館講座が土日にあったので、先週末は博物館に行ってきた。
土曜日は京都国立博物館で「蔵王権現はなぜ数多く伝わるのか」、日曜日は和歌山県立博物館で「阿弖川荘の仏像と地域史」。入館料だけで第一線の研究者の講座が受けられるんだから、お得にも程がある。

色々と得るものが多かったけど、ブログに細かくまとめるのもなんなので印象に残ったとこだけ書くと、京都では蔵王権現が鏡に線刻で表されるのが象徴的というのが、和歌山では安楽寺多宝小塔の本尊が高野山の大塔と同じ胎蔵界の大日如来というのと、高野山麓の西端での浄土信仰イメージが印象に残った。

やっぱり講座とかギャラリートークとか聞くと、ふつうに見るのに較べて展示の理解が全く違うと実感した。
また機会があったら講座に合わせていこう。

それから講座で出てくる固有名詞がけっこう理解できて、自分の知識も少しは蓄積できてるなーというのも感じられたのがよかった。
posted by すずる at 22:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術館・博物館

2017年01月23日

京都国立博物館

日曜に京都国立博物館に行ってきた。
国立博物館の年間パスポートが今年の3月で終了というのは、毎年お世話になっているだけにけっこうショックなニュースだった。
まあなくなる分にはいいんだけど、4月から始まる新制度のメンバーズパスが、2000円で平常展示が何度でも見られるというもので、特別展とは別に平常展示だけを目当てに京都・奈良に4回以上行くかというと微妙(2016年は3回だった)
奈良博のプレミアムカードは5000円で奈良博の特別展が各2回見られるけど、春夏と2回ずつ+秋の正倉院展に行ってやっと、という価格設定は正直疑問。
セレブだったらこんなことで悩まずに賛助会員になるんだけど。
悩みつつ最後の年間パスポート作成。今年はこれでお世話になります。

京博は12月に若冲を見に行ったばかりだけど、その時はしまってた3階がオープンしていた。
陶器室は前はあの部屋だけで力を使い果たすくらいたっぷりつまってたのが、かなりすっきりした展示点数になっていた。
考古室では、印仏瓦経を初めて見た。仏像をスタンプしてその中に経文字が1字ずつ書かれているの。
「ふたつの遊行上人縁起絵」では、一遍聖絵とは異なる系統の宗俊本を、金蓮寺本と真光寺本で同じ場面を並べて比較して見ることができた。

中世絵画室は瀟湘八景図。相阿弥と狩野元信だと、元信の方が景色というか遠近がはっきりしていてたぶんいい景色なんだけど、なんかぼんやりした相阿弥の方が好きだなあ。
近世絵画室は富士山特集で、山雪の富士三保松原図の雄大なまさに富士山って感じの絵に、蕭白の異様な感じの絵に、応挙に原在中と豪華だった。
なんか原在中の細密な描写は参詣図のようで、応挙のもやっとした影で捉えた富士の方はリアルな富士山に感じられるのが、線のリアルさと見た時の印象が異なるというか…うまくいえないけど、そんなところが面白いと思った。

1階に降りると愛宕念仏寺の素晴らしい仁王像にご挨拶して、今回の主目的、修理された鳥取三佛寺の蔵王権現を見た。
一木造りで足を大きく上げていない、まだ蔵王権現のあのポーズが定型化する以前の姿ということで、正本尊よりも脇本尊の方が古いものらしい。
顔、衣、膝の木目がよく見えて、部位によって違う木目の幅と濃さがこれ以上ないってくらい合っていると思った。いつかは現地に行きたい三佛寺。
あとは泉涌寺特集をやっていて、三宝荒神像、楊貴妃観音、快慶の宝冠阿弥陀、護法神、逆手の阿弥陀などなどがいらしてて、素晴らしい仏像だらけでたまげた。

四条まで歩いて阪急で帰宅。
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2017年01月21日

南極建築展

今年の展覧会始めは、LIXILギャラリーの「南極建築」展になりました。
観測基地の建築には制約があること…船が運べる資材以上のものは作れないから、船の大きさと建築に関係があるというのが、なるほどな〜と思いました。

最初の基地は木製のプレハブで、資材運搬に制限があるのもですが、南極の環境に耐える建物を、建築素人の観測隊員が短い期間で作るっていう、そういう制限のあるプロジェクトって大変でしょうが見てて燃えます。
ぐぐったら現物が97年の南極展で展示された記事がでてきた(白い大陸に挑んだ40年前の建築技術 竹中工務店

梱包用の箱を積んで作ったという、建物をつなぐ通路兼貯蔵棚の写真がアングラ感があってよかった。
南極観測隊から影響を受けて書かれたSFとかありそう。

印象に残ったのは…
基地では季節イベントが重要らしくて、中でも除夜の鐘は毎年新造する
断熱のために窓はつけたくなかったけど、隊員のどうしてもという希望でつけた
雪に埋もれた時用に天井に脱出口がある
南極では太陽の位置が低いので、太陽光パネルは屋上でなく壁面につける
船が新しくなるにつれて基地内もどんどん快適そうに

あとは氷床下のぜったい座りたくない洋式トイレの奥に積まれてるトイレットペーパーがスコッティで、これやっぱわざわざ選んでますよねみたいな…。

各国の基地の写真もあって、イギリスのハリーIV基地のモジュール移動テストとか映像に見入ったり、けっこう堪能しました。
知識を入れたので、映画の南極料理人をもう1回見たくなった。
posted by すずる at 23:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術館・博物館

2017年01月17日

2016年に行った美術館・博物館メモ

この2016年にどうこうしたまとめをブログに書いておかないと、なんとなく新年の日記が書き始められないなーとか言ってるうちに1月も半分過ぎてしまった。

2016年に行った博物館、美術館は21でした。あまり行けなかった気がしてたけど、例年通りだった。(上半期のまとめはこちら→2016年前半に見た博物館・美術館

夏は18切符を使って、前から行ってみたいと思っていた常滑のライブミュージアムと岡山のBIZEN中南米美術館に行きました。
常滑は焼き物の街歩き込みで楽しかった。
BIZEN中南米美術館は東京のインターメディアテクで収蔵品を見て、1回行ってみたかったんだけど、開館日が限られてるのでなかなか行けなかった。
夏休みってこともあって動物特集。展示は多くはないなと感じたけど、写真を撮ったりゆったり見てたら案外時間がかかったので、ちょうどいいのかもな。

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この日ハシゴした岡山県立博物館の「カミとほとけの姿」は、明王寺の観音菩薩像の乳首がとても印象に残っている。それから真庭市木山神社の鬼神がおなか丸くて可愛かったのと、勇山寺の不動明王脇侍の二童子像がすごく女性的?な立ち姿だった。
岡山南部は平安後期の毘沙門天像が多いらしい。それから吉備津神社に行道面や来迎図が伝わってるというのも覚えた。

奈良博の夏の忍性展はほんと素晴らしくて、終わり頃に1回しか行かなかったのを後悔した。前期に行っておけば2回は行けたのに。
忍性展でよかったこと
・極楽寺から忍性菩薩坐像、釈迦如来、十大弟子がいらしてた
・平安と鎌倉の文殊菩薩騎獅像が並んでて比較できた
・文殊信仰の様子が少し分かった
・行基菩薩行状絵伝のパネル説明がめちゃわかりやすかった
・舎利容器祭りは3つの五輪塔の納置品の展示でクライマックス

秋はMDで岐阜に行ったついで(というか博物館に行くついでがあったのでMD参加したというか)で岐阜県博物館へ。駅からバス利用したけど、駅からもバス停で降りてからも茫然とするくらい遠かった…。
でも、これまで京都、トーハクと行った円空展では見たことがない(多分)個人蔵の像が見られて、より市井の信仰に近い像というか…それから木片からまさに仏が現れ出るといった像が見られて、行って良かったです。

秋はあまり出歩かなかったけど、和歌山の「蘆雪溌剌」、京博の若冲特集と私にしては珍しく、絵を見ました。
串本の無量寺の応挙蘆雪館はいつか行きたい。

2016年は自分の中ではあまり博物館に行けなかったなーと不完全燃焼な気持ちもあった。
展覧会にかなり行かれてる人があちこち行ってるのを見てると、たくさん見ることが全てのものさしになるわけじゃないけど、たくさん見ることで言えることもあるから、うらやましくはある。
読書とかでもたくさん読んでる人に対して同じことを考えてしまうけど。
それほどたくさんは行ってない自分は、だったらせっかく観覧する機会には、せめて精一杯丁寧に見ないとなーと思った。

以下は行った場所メモ
1/10 「鉄斎と蓮月」 鉄斎美術館
1/16 「大湖北展」 安土城考古博物館
1/31 秋野不矩美術館
3/10 「獅子と狛犬」 京都国立博物館
3/12 「伊豆山神社の歴史と美術」 奈良国立博物館
4/27 「水 神秘のかたち」 龍谷ミュージアム
4/27 「禅」 京都国立博物館
4/28 「夷酋列像」 国立民族学博物館
5/2 ふくやま草戸千軒ミュージアム
5/2 「武田五一」 ふくやま美術館
5/21 「国宝信貴山縁起絵巻」 奈良国立博物館
6/30 「御出現!春日大社の神獣展」 春日大社景雲殿
6/30 「和紙 近代和紙の誕生」 奈良国立博物館
8/7 常滑INAXライブミュージアム
8/13 「立体妖怪図鑑」 兵庫県立歴史博物館
9/10 「カミとほとけの姿」 岡山県立博物館
9/10 BIZEN中南米美術館
9/15 「忍性」 奈良国立博物館
10/2 「東海地方の円空仏」 岐阜県博物館
11/18 「蘆雪溌剌」 和歌山県立博物館
12/17 「特集陳列伊藤若冲」 京都国立博物館
posted by すずる at 23:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術館・博物館

2016年08月07日

常滑さんぽとライブミュージアム

タイルに興味を持ったきっかけは、新婚旅行の時に見たスペインのタイルだと思う。ガウディのグエル公園。
それで、大阪のLIXILギャラリーに何度か企画展を見に行ってて、常滑にライブミュージアムがあるというのを知り、いつか行ってみたいと思っていた。
動機はもう一つあって、LIXIL出版て建築もだけど民俗系とか面白そうな、手元に置きたいような本をいろいろ出してて、特に欲しいのは品切れなんだけど、本元のギャラリーショップに行けばちょっと古いのも現物見れたりしない?並んでたりしない?という気持ちがあった。

で、夏に家族旅行のために帰省した時に、常滑まで出かけてきた。実家からはJRと名鉄乗り継ぎで2時間半くらい。
ライブミュージアムまではバスも出ているようだが、せっかくなのでingressの Welcome to Tokoname!! ミッションをオファーして、やきもの散歩道をぶらぶらしながら行くことにした。
常滑駅スタート。

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信楽は狸が出迎えてくれたけど、常滑は招き猫だった。

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この手作り感嫌いじゃない。

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歩いていくと焼き物の町ならではの煙突のある釜が見えて、気分も盛り上がってくる。
あとなんか土管が多かった。
けっこう入り組んだ迷路のような道をのぼったりまわったり、趣のある町並みで、いい散歩道だった。
瀬戸内の島に雰囲気が似てる気がした。

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登釜はでかかった。たぶんミドコロは他にもあるんだけど、真夏のことであまり立ち寄る余裕はなかった。

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神社の狛犬も当然焼き物。

そうこうしているうちに、ライブミュージアムにたどり着いた。

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お昼はちょっと奮発。

ミュージアムの展示の方は、フランク・ロイド・ライトが帝国ホテルの壁にレンガを希望したことから常滑に帝国ホテル煉瓦製作所ができて、それが後のINAX-LIXILであるっていう歴史もわかった。
焼き物を温度別に、素材や技術の視点から並べて見るという展示が面白かった。七宝の隣に経筒。
岩手の鍛冶神図、三宝荒神がふいごの上に立ってる図を知ったのも良かったなー。
タイルも漫喫したけど、あとは美しい染付便器が印象に残った。

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還情園池紋製とか、美しい。あと織部の便器!
1891年の濃尾大震災でいろいろ壊れたとこから需要ができたのと、大正初期に衛生観念の向上から吸水性のない磁器製が主流になったとか勉強になりました。
近代建築巡りをしても、当時の便器がそのまま残ってるってとこはめったにないというか見たことないし、貴重なものが見られました。

……物販には本は全然なかった。

ミュージアムを出て、ミッションがてら海沿いを歩き、常滑駅でゴール。

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散歩とミュージアムは漫喫したけど、他の見るところや肝心の常滑焼のお店は全く見なかったので、また改めて遊びに行きたい。
posted by すずる at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術館・博物館