2016年08月07日

常滑さんぽとライブミュージアム

タイルに興味を持ったきっかけは、新婚旅行の時に見たスペインのタイルだと思う。ガウディのグエル公園。
それで、大阪のLIXILギャラリーに何度か企画展を見に行ってて、常滑にライブミュージアムがあるというのを知り、いつか行ってみたいと思っていた。
動機はもう一つあって、LIXIL出版て建築もだけど民俗系とか面白そうな、手元に置きたいような本をいろいろ出してて、特に欲しいのは品切れなんだけど、本元のギャラリーショップに行けばちょっと古いのも現物見れたりしない?並んでたりしない?という気持ちがあった。

で、夏に家族旅行のために帰省した時に、常滑まで出かけてきた。実家からはJRと名鉄乗り継ぎで2時間半くらい。
ライブミュージアムまではバスも出ているようだが、せっかくなのでingressの Welcome to Tokoname!! ミッションをオファーして、やきもの散歩道をぶらぶらしながら行くことにした。
常滑駅スタート。

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信楽は狸が出迎えてくれたけど、常滑は招き猫だった。

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この手作り感嫌いじゃない。

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歩いていくと焼き物の町ならではの煙突のある釜が見えて、気分も盛り上がってくる。
あとなんか土管が多かった。
けっこう入り組んだ迷路のような道をのぼったりまわったり、趣のある町並みで、いい散歩道だった。
瀬戸内の島に雰囲気が似てる気がした。

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登釜はでかかった。たぶんミドコロは他にもあるんだけど、真夏のことであまり立ち寄る余裕はなかった。

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神社の狛犬も当然焼き物。

そうこうしているうちに、ライブミュージアムにたどり着いた。

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お昼はちょっと奮発。

ミュージアムの展示の方は、フランク・ロイド・ライトが帝国ホテルの壁にレンガを希望したことから常滑に帝国ホテル煉瓦製作所ができて、それが後のINAX-LIXILであるっていう歴史もわかった。
焼き物を温度別に、素材や技術の視点から並べて見るという展示が面白かった。七宝の隣に経筒。
岩手の鍛冶神図、三宝荒神がふいごの上に立ってる図を知ったのも良かったなー。
タイルも漫喫したけど、あとは美しい染付便器が印象に残った。

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還情園池紋製とか、美しい。あと織部の便器!
1891年の濃尾大震災でいろいろ壊れたとこから需要ができたのと、大正初期に衛生観念の向上から吸水性のない磁器製が主流になったとか勉強になりました。
近代建築巡りをしても、当時の便器がそのまま残ってるってとこはめったにないというか見たことないし、貴重なものが見られました。

……物販には本は全然なかった。

ミュージアムを出て、ミッションがてら海沿いを歩き、常滑駅でゴール。

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散歩とミュージアムは漫喫したけど、他の見るところや肝心の常滑焼のお店は全く見なかったので、また改めて遊びに行きたい。
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2015年11月20日

九州2日目 甘木と福岡

 2日目は昼から約束があって午前中は空いていたので、早めにホテルを出てJRで甘木へ向かいました。
 後になって1日目に熊本から甘木に行って、2日目の午前中に新奴国展に行けばよかったと思ったんだけど、甘木でやってる展示に気がついたのが旅行の直前で、新幹線の切符もホテルも早割で手配してたので変更するまでもないかなーと思って、朝から電車。基山で乗り換え。

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 甘木鉄道はなんか卑弥呼推しで邪馬台国論争めんどくさい派の私としてはこんな大っぴらに推して大丈夫かなとどきどきしてくる。
 思っていたよりも駅から遠くなくて、開館前に甘木歴史資料館に着き、少し建物の前で待ちました。

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 「黒川院調査と山岳宗教」展。入場無料で、32Pもある資料館便りも頂きました。英彦山の歴史や調査報告、展示解説も載っててありがたい。
 階段の踊り場に彦山にお参りするルート上にある通堂の板額が。堂々としてけっこういい字。
 常設は民俗資料がいろいろあって、風止め祈願っていうのは初めて見たなあ。台風被害があるから? 駄風流とか、音が面白い。
 あとこの地域では田の神と天神天満信仰が融合しているっていう説明もあって、丑どんとか天神さんから牛が来てるらしい。それで牛の石造物がけっこうあるのかなーっていう。

 黒川院は1334年から彦山の座主の御所があって、17世紀に入って破壊されたそうで、そのくらいの時代なら(自分の興味範囲からすると)えっ最近じゃんって感じがするんですが、山の中だとけっこう痕跡が分からなくなっちゃうんだなあと思いました。
 黒川高木神社の狛犬は、大きな口を開けてシュッとしていた。細かい部分まで観察してないけど、前日に見た青井阿蘇神社の狛犬と体型は似てる感じ。
 1554年の銘がある火王、水王の面。三角の大きな鼻に鼻腔、火王のむき出しの前歯?と個性的。

 あと面白かったのは初めて見た天狗曼荼羅。上部真ん中に僧侶、左右は毘沙門天に不動明王で、下に7人の天狗という。多分天台なんだろうけど、僧が誰とかは分からず。
 それから薬袋や版木などがあって、額に入った牛王宝印は上部に三羽の鷹がいて、烏じゃないんだーと思ったけど、もらった資料を読んだら開山縁起に三羽の鷹が出てくるんですね。修験の遺品がいろいろあって興奮した。
 それから前日に福岡市博の常設で知った九州特有の薩摩塔、首羅山遺跡のレプリカが見られたのもよかったです。

 求菩提の資料館にもいつか行きたいなーと思いつつ、今度は西鉄の甘木駅から電車で天神へ。西鉄ってずっとせーてつって呼んでたけど、にしてつだった。
 天神から地下鉄で移動して、大濠公園のスタバで昼ごはん&充電。かなり街中なのにこんな広くて気持ちいい公園があるのっていいなーと思いつつ、福岡市美術館へ。
 「藤田美術館の至宝」展。藤田美術館って大阪の美術館なのでわざわざ旅先の福岡で見るというのも不思議なんですが、福岡在住の友達が曜変天目茶碗が見たいってことで、じゃあ美術館で合流しよーということに。
 といっても、私も友人も展示は1人で見る派なので、見終わるまですれ違うことはありませんでした。

 曜変天目茶碗は、宇宙だった。

 思ったのは、藤田がこれを手に入れて、お披露目の茶会ってやったのかなーと。想像すると恐ろしいよなあ。コレクションからこれに何を合わせる?

 常設の方では絵はあまり興味ないのでさらっと見ただけだけど、地下で仁清の壺が見られて、おーっと思ったのと、あと肩衝茶入銘「松永」が見られてよかった。
 松永久秀由来のものはこれで茶さじと茶入を見ることができたけど、どちらも艶めいて美しい曲線で、どっちかというと松永久秀は嫌いだけど(奈良好きなので)、その趣味はけっこういいよなー。平蜘蛛というのがどんなものだったのか思いを馳せてしまうよな。

 展示を見終えてからやっと友人と合流してお茶しつつおしゃべり。
 それで夜はジビエが食べられるお店に連れてってもらいました。
 鹿も鴨もおいしかったー。もっと肉質が硬いと思ってたのにすごくやわらかくいい弾力。

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 福岡ってことでホルモン系も串で食べたり。丸腸がとろけるー。

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 それからひげにんにくの天ぷら、にんにく臭はあまり感じないけど食べるとじわっとこくのあるうまみがあっておいしかったです。風邪が全然治ってない状態でいったんですが、これ食べた時、一瞬元気になった。
 お酒は自重しました。
posted by すずる at 20:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術館・博物館

2015年11月19日

九州1日目 熊本と福岡はしご

去年に続いて11月に九州旅行です。
友達が住んでいることもあって、福岡あたりまで行くのは心の敷居が低い。で、博多まで行くなら熊本まで行ってもあんまり変わらない…という論法で朝6時台のさくらに乗りました。
朝早かったのでうとうとしてたんですが、広島駅に着いて右方を見たら、

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500 TYPE EVAがいて目が覚めた。
そう思い入れがある方じゃないけど思わず写真は撮ってしまう。

定刻に熊本駅に着いて、周遊バスがあるというのを知ったので駅前からしろめぐりんに乗車。県立美術館は市電の駅からだとそこそこ歩くので、近くまで行ってくれるこのバスはありがたい。
熊本県立美術館で「ほとけの里と相良の名宝ー人吉球磨の歴史と美」展を見ました。
春に湯前に行ったときに相良には三十三観音めぐりがあるっていうのを見かけて、へ〜ちょっと興味あると思っていたのが、まさか実際に見に来ることになるとはなー。

展示は球磨の歴史を考古資料や相良家文書などの文献資料などでたどりつつ、時代ごとに区分けした仏像が展示されていました。
そうして歴史を見ると、関西から球磨って新幹線とかで行くとすごい遠いイメージなんですが、南北朝の動乱とか戦国時代とかでけっこう中央との行き来が頻繁にあることが分かって、仏像もけっこう都風の美しいものがあったり。弘法大師あり、台密あり、熊野信仰あり。
多良木町中山観音堂の聖観音菩薩の、布が腕に沿う感じとか、相良氏菩提寺の願成寺の阿弥陀如来坐像とか美しかったです。湯前の城泉寺阿弥陀堂の阿弥陀如来三尊像もすごくよかった…観音の方が衣紋がすごいって感じだったけど、勢至の方も顔に気品があるような感じで好き。いつか湯前のお堂まで行って拝見してみたいなー。

球磨らしいといえば、青井阿蘇神社のすごくしゅっとした狛犬。
それから在地仏師の恵麟の像があって、表情が良かった。こういう像が見られるから仏像めぐりはたまらんのだよなー。
勝福寺跡毘沙門堂の毘沙門天は胸の中央、腹帯、両肩、両膝に獣面があって、5ヶ所にあるのは珍しいらしい。
胸の獣面が狼みたいで個性的だった。
それから栖山観音堂の千手観音のところに、球磨修験道四山とか書いてあって、修験もあったんですねその話くわしく…と思った。

駅までまたしろめぐりんに乗って戻ったけれど、帰りはコースの都合でちょっと時間がかかったので、途中で市電に乗り換えた方が駅までは早かったかもしれない。時間に余裕があったのでいいけど。
新幹線に乗車。早得で予約してたので、熊本ー博多間は2570円だった。安いよなあ。

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お昼は駅前で買ったいきなり団子でした。紫芋とカレー味。カレー味は物珍しくて買っちゃったけど…あえていきなり団子で食べなくても、カレーまんで食べた方がいいな。

博多駅から地下鉄で西新駅へ移動して、ingressのミッションを確認したらちょうど博物館方面に向かうのにいいミッションがあったので受けました。

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福岡市立博物館の前まででちょうど2つクリアして、あとは福岡タワーのあたりまでで6個。

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並べたらこうなりました。

この日2つ目の目的は福岡市立博物館の「新・奴国展」。
金印に始まって、弥生時代の主だった資料はかなり集まってるんじゃないかという豪華さ。銅製品すごい。
図録を購入したので、読んでからまた細かいところ書きます。

常設展の一部で経塚特集をやっていて、九州の経塚の関西とは違うところがいろいろ見られてよかったです。
須恵器に陶器製の盤を蓋にして入れ物にしてるのとか初めて見た。
あと九州に特有の積上式経筒があるんだけど、なぜか京都でも1ヶ所だけ出土してるとか。

博物館を出てミッションを終えたら真っ暗になっていて、この日は博多駅の近くのホテルにチェックイン。
朝からおにぎり、まんじゅう、いきなり団子2、まんじゅうというまんじゅうだらけの食生活をしていたのでどうしようかと思ったけど、結局夜はコンビニで豚汁を買って飲みました。
1人だと大したものを食べない。
posted by すずる at 00:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術館・博物館

2015年11月15日

「新発見の高麗青磁」展と中之島公会堂

11/14、15は関西文化の日で、毎年なんとなく万博公園に行ってるんですが、今年は中之島に行ってきました。
1回入ってみたかったGARBでランチ。

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東洋陶磁美術館で「新発見の高麗青磁」展を見ました。
11世紀後半から13世紀前半くらいの沈没した貿易船の荷を引き上げる水中考古学の成果で、同時に船員が使っていた箸などや将棋の駒なんかがあって、なんかそういう直接暮らしを想像させるものはそれだけで弱い。どこかの時点で沈没したのがはっきりしてるからかなあ。火山の噴火で埋まった街から生活の痕跡が発掘されたのとなんとなく似たような感情が湧く。
漁師がタコ漁しててタコの吸盤に青磁がはっついて発見したとか面白い。

そのへんの博物館でも発掘された青磁を見たことはあったけど、貿易船ってことで量が多いことと、場所がよかったのか保存状態がすごく良いので、高麗青磁の装飾の技術の変化がよく分かった。
最初はせいぜい陰刻だったのが、鉄で絵が描かれ、印花という技法があって、象嵌と、技術の変化を見て、考古的興味で見ていたのがどこかの時点で自分の見る目が美術品を見る視点に切り替わってたのが興味深かった。
中でも印花で牡丹が白く浮きだしたように見える皿とか素晴らしくいいなあと思うのがあった。

あと、中国青銅器を真似して作った饕餮紋とかある磁器があるのも面白かった。

常設展に中国青磁もあって、青磁の色を表現する言葉がいろいろあるというのを知った。
秘色、天青、粉青、中でも雨過天青という名前に惹かれた。
高麗青磁のいい色は翡青と言われるそうで、破片だけど釉が溜まった濃い箇所が天然石のようにきらめいてるのがあってあーこういうのかなーと。

それから中国の嗅ぎたばこ入れ、鼻煙壺のコレクションとか、すごく見応えのある美術館でした。
また興味のある特別展をやってる時があったら行ってみよう。

それから、中之島公会堂の中でイベントをやっていて自由に入れそうだったので入ってきました。
前に1度だけ落語を聞きに行ったことあるけど、地下の部屋だったので上の方は初めて。
エレベーターがあったけどあえて階段でのぼる。

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3階の特別室でお香のイベントをやってて入りました。天井は日本神話っぽい絵。

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なんていっても大きな鳳凰のステンドグラスが目を引きます。

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それから中集会室。

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これが中集会室…?って広さと豪華さだった。
天井の照明が吊り下がってるところが明かり取りの窓でステンドグラスになっていた。

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元々どこにあったか忘れたけどこれは建築当初からあるものだそうです。四神らしい。

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ガイドツアーかイベント時じゃないと入れないと思ってたからおそるおそるであまり本気でじっくり見られなかったので、またなんかの機会があったら行こう。

それにしても、夫婦で秋の中之島を散策してちょっと豪華なランチ食べて美術館見て…ってまるでリア充みたいだなーと思って少し落ち着かなかった。
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2015年11月14日

「人のかたちの埴輪はなぜ創られたのか」展

橿原考古学研究所附属博物館の「人のかたちの埴輪はなぜ創られたのか」展を見てきました。
このテーマは師匠の興味範囲どストライクなので一緒に見に行けたらよかったな〜と思いつつ。

人のかたちの埴輪の登場を370年頃の茅原大墓古墳の盾持埴輪あたりからとして、その前の盾埴輪や、その後現れる巫女や武人などの埴輪など。
350年の器財埴輪の登場から370年頃の盾持埴輪、だいたい20年きざみくらいで変化があって、馬や犬が登場して、巫女や武人や力士や楽士など多様な人物が現れて…という埴輪の変化が見られました。
あちこちで埴輪は見てたと思ったけど、冑付きの盾埴輪っていうのは初めて見た。
最初は写実的だった陰刻が形骸化してくとか、でも立体としては作り方が確立されてよりそれっぽく変化してくのがよく分かりました。

古墳の上で食物を供える儀礼をしてたのが、土製品に置き換わっているということで、加古川市の行者塚古墳とか、ちっちゃな皿や高坏に土製の魚とか鳥とか切り身?とか並べられてるのが可愛かった。
古墳時代にもう食品サンプルあったぞ。

それぞれの埴輪では、福岡の拝塚古墳の鼻に鼻孔を開ける表現、寺戸鳥掛遺跡の盾持埴輪の右手で横に盾を持つ表現が印象に残った。
あと蕃上山古墳の巫女や覡(男のミコ)の独特な衣服表現。

イワミンのモデルになった石見遺跡の座ってる埴輪も見られてよかった。かわいかった。

この日はついでに紅葉でも見ようとこの後で家族と室生寺に行ってみたんですが、ちょっと早かったみたいであまり色づいていませんでした。

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というよりけっこう雨が強く降ってきて階段をのぼるのが大変だった。

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家族に奥の院を勧めて、その隙に金堂をたっぷり堪能して帰りました。
posted by すずる at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術館・博物館