2015年11月15日

「新発見の高麗青磁」展と中之島公会堂

11/14、15は関西文化の日で、毎年なんとなく万博公園に行ってるんですが、今年は中之島に行ってきました。
1回入ってみたかったGARBでランチ。

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東洋陶磁美術館で「新発見の高麗青磁」展を見ました。
11世紀後半から13世紀前半くらいの沈没した貿易船の荷を引き上げる水中考古学の成果で、同時に船員が使っていた箸などや将棋の駒なんかがあって、なんかそういう直接暮らしを想像させるものはそれだけで弱い。どこかの時点で沈没したのがはっきりしてるからかなあ。火山の噴火で埋まった街から生活の痕跡が発掘されたのとなんとなく似たような感情が湧く。
漁師がタコ漁しててタコの吸盤に青磁がはっついて発見したとか面白い。

そのへんの博物館でも発掘された青磁を見たことはあったけど、貿易船ってことで量が多いことと、場所がよかったのか保存状態がすごく良いので、高麗青磁の装飾の技術の変化がよく分かった。
最初はせいぜい陰刻だったのが、鉄で絵が描かれ、印花という技法があって、象嵌と、技術の変化を見て、考古的興味で見ていたのがどこかの時点で自分の見る目が美術品を見る視点に切り替わってたのが興味深かった。
中でも印花で牡丹が白く浮きだしたように見える皿とか素晴らしくいいなあと思うのがあった。

あと、中国青銅器を真似して作った饕餮紋とかある磁器があるのも面白かった。

常設展に中国青磁もあって、青磁の色を表現する言葉がいろいろあるというのを知った。
秘色、天青、粉青、中でも雨過天青という名前に惹かれた。
高麗青磁のいい色は翡青と言われるそうで、破片だけど釉が溜まった濃い箇所が天然石のようにきらめいてるのがあってあーこういうのかなーと。

それから中国の嗅ぎたばこ入れ、鼻煙壺のコレクションとか、すごく見応えのある美術館でした。
また興味のある特別展をやってる時があったら行ってみよう。

それから、中之島公会堂の中でイベントをやっていて自由に入れそうだったので入ってきました。
前に1度だけ落語を聞きに行ったことあるけど、地下の部屋だったので上の方は初めて。
エレベーターがあったけどあえて階段でのぼる。

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3階の特別室でお香のイベントをやってて入りました。天井は日本神話っぽい絵。

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なんていっても大きな鳳凰のステンドグラスが目を引きます。

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それから中集会室。

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これが中集会室…?って広さと豪華さだった。
天井の照明が吊り下がってるところが明かり取りの窓でステンドグラスになっていた。

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元々どこにあったか忘れたけどこれは建築当初からあるものだそうです。四神らしい。

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ガイドツアーかイベント時じゃないと入れないと思ってたからおそるおそるであまり本気でじっくり見られなかったので、またなんかの機会があったら行こう。

それにしても、夫婦で秋の中之島を散策してちょっと豪華なランチ食べて美術館見て…ってまるでリア充みたいだなーと思って少し落ち着かなかった。
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2015年11月14日

「人のかたちの埴輪はなぜ創られたのか」展

橿原考古学研究所附属博物館の「人のかたちの埴輪はなぜ創られたのか」展を見てきました。
このテーマは師匠の興味範囲どストライクなので一緒に見に行けたらよかったな〜と思いつつ。

人のかたちの埴輪の登場を370年頃の茅原大墓古墳の盾持埴輪あたりからとして、その前の盾埴輪や、その後現れる巫女や武人などの埴輪など。
350年の器財埴輪の登場から370年頃の盾持埴輪、だいたい20年きざみくらいで変化があって、馬や犬が登場して、巫女や武人や力士や楽士など多様な人物が現れて…という埴輪の変化が見られました。
あちこちで埴輪は見てたと思ったけど、冑付きの盾埴輪っていうのは初めて見た。
最初は写実的だった陰刻が形骸化してくとか、でも立体としては作り方が確立されてよりそれっぽく変化してくのがよく分かりました。

古墳の上で食物を供える儀礼をしてたのが、土製品に置き換わっているということで、加古川市の行者塚古墳とか、ちっちゃな皿や高坏に土製の魚とか鳥とか切り身?とか並べられてるのが可愛かった。
古墳時代にもう食品サンプルあったぞ。

それぞれの埴輪では、福岡の拝塚古墳の鼻に鼻孔を開ける表現、寺戸鳥掛遺跡の盾持埴輪の右手で横に盾を持つ表現が印象に残った。
あと蕃上山古墳の巫女や覡(男のミコ)の独特な衣服表現。

イワミンのモデルになった石見遺跡の座ってる埴輪も見られてよかった。かわいかった。

この日はついでに紅葉でも見ようとこの後で家族と室生寺に行ってみたんですが、ちょっと早かったみたいであまり色づいていませんでした。

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というよりけっこう雨が強く降ってきて階段をのぼるのが大変だった。

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家族に奥の院を勧めて、その隙に金堂をたっぷり堪能して帰りました。
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2015年11月07日

北摂の山岳寺院展と夜の下鴨神社

7日の話。
今秋は高槻市立しろあと歴史館で「大阪の修験と西方浄土 神峯・葛城山と日想観の山寺」展、茨城市立文化財史料館で「竜王山をめぐる信仰と人々」展という、市域の山岳寺院の企画展がありました。
北摂という地域に引っ越してもう10年になるんですが、奈良や京都はそこそこ行くくせにわりと足元のこの地域の歴史のことは普段使う電車の路線が違うこともあって全然知らないなーといまさらながら思って行ってきました。

平安時代に山林修行の霊山で、七高山と言われた山があって、比叡、比良、伊吹、神峯、愛宕、金峯、葛木のうち神峯山がだいたい茨木か高槻のへんだそうで、他の山は知ってたけど、神峯山ていうのも実は今回初めて知った。

高槻では展示は山のお寺を大きく修験と浄土信仰の日想観に分けて府内の寺院と高槻市の寺院が並べて紹介されていました。
修験っていったら役行者像とか、不動明王像の絵で、七宝瀧寺の本尊、倶利伽羅大龍不動明王が背後に描かれているというのがあったり。
神峯山寺の重文聖観音立像は上半身のボリュームからすると下半身が短くてずんぐりしとした感じ。参考に滋賀県栗東市の大野神社の十一面観音菩薩立像の写真がありましたが、ほんと双子だった。

葛城修験の二十八宿は友ヶ島から和泉と紀伊の境を通って奈良の二上山らへんまでだけど、北峯の宿っていう柏原市から生駒山地を通って八幡市まで続く行場があったらしい。髪切山慈光寺や私市の獅子窟寺の紹介があった。

日想観の展示の方は四天王寺や往生院六萬寺と、高槻では千観が開いた金龍寺の展示。
日想観っていうから浄土信仰っぽい展示があるのかなーと思ってたら、どっちかというと金龍寺の旧境内の発掘調査から、古代の寺院と地域の関わりが示される展示だった。雨乞いとか、神社の神事で使われた祭具の龍神や蛇があって面白かった。

ロビーでBSフジのこころ寺巡りの神峯山寺の回が流れていて少し見てたんですけど、神峯山寺の御本尊は役行者が安置したとされる毘沙門天なんだけど、御前立の毘沙門天と、真ん中の双身毘沙門天と、奥の兜跋毘沙門天と3体が縦に並んでるそうで、双身毘沙門天ていうのも初めて聞いたなあ。前後の毘沙門天は御開帳があるそうだけど、そちらは僧侶しか見ることができないんだそうです。気になる。

あと、霊山寺の御本尊は不動明王に見立てた自然石で、光背と二童子像を脇につけてて、こちらも機会があったら行ってみたい。

茨木の資料室の方は別の日に行ったんですが、ここでついでに書いておく。2年くらいこのへんに仕事で通ってたけど初めて入りました。
七高山であげられた神峯山はいくつか説があるそうだけど、ここでは竜王山がそうではないかと比定して、竜王山の周辺の山岳寺院、主に三澄開基の賀峰山忍頂寺、大門寺の展示でした。
展示はそれほどなかったけど図録を買ったらこの二寺の仏像が紹介されてて、大門寺の如意輪観音はぜひ拝んでみたいなー。
それから宝池寺には竜の骨が伝わっているらしい。
ここの図録の文章は初心者向けにすごくわかりやすいのと、各ページに参考文献が提示されてるのが嬉しいです。
講演会がこれからまたあるらしいから、行けたら行きたい。

今回知った、北摂の山岳寺院には開成皇子の伝承が多いそうだけど、開成皇子は病気で京を離れて、磐田市の白山神社に祀られているらしい。思いがけず地元が出てきた。

高槻に行った後は、阪急電車で京都に移動して、秋の京都市内のバスは混んでて好きじゃないので、地下鉄で移動して平安神宮の東側を通って歩いていったんですが、途中にいい感じの建物があるなーと思ってよく見たら植治でした。おおー、と思わず写真撮ってしまった。

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そして特別公開中の黒谷さん、金戒光明寺へ。

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山門は外から眺めて、御影堂へ。
昭和に再建された大方丈は武田五一の設計ってなってた。近代建築って印象が強かったけど、ぐぐったら古建築の修復にも関係が深いんだそうだ。
獅子に乗った文殊菩薩像とか。若冲の群鶏図屏風とか。剽げた顔した鶏で、他の部分は写実っぽいのに尾っぽがいきなり勢いのいい線なんだよなー。それで全体としては構図が面白いっていう。かわいいかわいい。

重文の山越阿弥陀もしれっと見られないかなーとか思ってたけど、そんなに都合良くはなかった…けど絵葉書購入。

京都非公開文化財特別公開の最後の目的地は下鴨神社の夜間拝観で、夕食を取ってから出町柳へ。

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夜の下鴨神社は初めて。静かで昼以上にご神域の雰囲気がびりびりとくる。
舞殿で京都造形芸術大学の学生?の石見神楽奉納があったので見た。
おめでたい恵比寿大黒と、ヤマタノオロチ退治。
4体のつくりものの蛇の頭が出てきて、舞殿の上をお囃子に合わせてうねったりまわったりけっこう激しい。

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お神楽を堪能してから本殿を拝観。というか幣殿の向こう側自体見るの初めてなんですけど、式年遷宮があったばかりでぴかぴかの朱色でした。
同じ大きさの流造が2つ横に並んで、屋根には千木とかはなく、回廊には獅子と狛犬。回廊に獅子と狛犬がいるのは日吉大社と一緒だなーと思いつつ、下鴨では獅子が金身緑髪、狛犬が銀身青髪だったのが違ってました。
御本宮の西側に小さなお社があったのでなんだろうと思ってたら、リーフレットに書いてあった。霊璽社という印鑑、契約守護の神様のお社と、神宝を収納している叉倉だそう。

下鴨神社には何度も来ているけど、夜の参拝すごく良かったです。
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2015年11月03日

比叡山展と京都非公開文化財特別公開

大津市歴史博物館の比叡山展に行ってきました。
今回はこちらの博物館の25周年記念の企画展ってことで、これまでの調査の集大成という感じで何と言っても初出陳の資料が多かったです。悉皆調査って文字を見るだけで燃える。
手が逆さになった阿弥陀像とかビックリマンみたいな大黒天とかいろいろあったけど、不動明王がほんと多様で、不動十九観に則ったよく見かける感じのものから、こんな顔見たことないって表情のものや、弁髪もないとかいろいろあって、こんな仏像があるんだなーという驚きがけっこうありました。

展示のキャプションにキャッチコピーみたいなのが付いてて、例えば恵心僧都像に「このブロマイドが宋で爆売れ!」(うろ覚え)ってなってたら思わず「へー!」ってなってキャプションを読みふけってしまいます。あと図録の写真と解説が同じページなのがすごく読みやすいです。

各地から見た比叡山写真のパネルがあったのが良かったです。
京都市内、都からはいかにも鬼門を守る山って感じで四明岳がランドマークに見えるけど、その姿だけが比叡山じゃなくて、東から都入りしようとする旅人が琵琶湖の対面に見た姿、近江国分寺で修行していた最澄が見ていた姿、大津京から北に見える姿……見る場所によって違う比叡山の姿が、山上だけでなく別所や里坊にも広がりがある、この展覧会で見られる文化財の多様性を表しているように思いました。

それから天台の祖師像が少ないっていうのが、弘法大師信仰が凄いことと比較すると、確かに伝教大師像ってあんまり見たことないかなあと思いました。天台ではあんまり祖師信仰ってないんだろうか、三井寺では智証大師像があったし、良源の元三大師信仰はあるって聞いたことあるけど。
頭巾をかぶった天台大師像はこう言っちゃなんだけどすごくキュートなので、比叡山のゆるキャラに推したい。

今回は建立大師相応和尚という名前を覚えました。円仁の弟子で、北嶺回峰行の開祖とされているそうで、じゃあ天台の山岳修行についてはこの名前を追っていったらいいのかなー。近江八幡の伊崎寺はいつか行ってみたい。
あとで図録を見て気がついたけど、大津に行ったこの日11/3がちょうど御忌日だったらしい。御縁ですね。

堪能して京都駅へ移動し、期間中だった非公開文化財特別公開を見に泉涌寺へ。
即成院拝観。

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那須与一のお墓がある関係か、本堂の前にある石の手水鉢みたいなの(線香がちょろっと立ってたけど香炉?)に扇の紋がありました。

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こちらでは10月にお練りが行われるそうで、行道面の展示があって、だいぶ新しいものだと思いますが手に取らせてもらうことができました。
内陣に入り、阿弥陀如来と二十五菩薩とご対面。宇治の平等院を創建した藤原頼通の子、橘俊綱の持仏堂ってことで、うーん、いかにも平安時代っぽい左右のバランスがいい仏像がそれぞれ楽器を持って、4列のひな壇にぎゅっと…ああじっくり1体ずつ見たいけど後ろの方がよく見えない。
壁がのっぺりと白いのが少しさみしく、気になる感じがします。平等院と比べちゃうとね…最初はどう並べられてたんだろう。
むしろ内陣よりも外陣から見た時の窓で切り取ったように見える顔が並んだ景色の方が強い印象が残りました。
あと大自在菩薩のすごいいい笑顔。
せっかくなので那須与一のお墓にもお参りしました。

続いて坂を上っていて、法螺貝の音に引かれて戒光寺に寄りました。境内で護摩供養をしてて、しばし見物。

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後から知ったけど年2回の弁財天の御開帳の日だったそうです。お参りしたらよかったー。
本堂で丈六の釈迦如来像。光背のためまるで仏龕に収まっているような感じで、凄い迫力のあるお姿でした。

次に行ったのは雲龍院。泉涌寺は七福神巡りが有名なんですが、こちらが大黒天なのでいつか行きたいと思ってました。
こちらではミドコロを書いた紙をいただけたのがよかったです。大石内蔵助の書とか色々ありましたが、霊明殿に祀られている後光厳天皇、後円融天皇の坐像が首が抜けるようになっていて、非常事態にはお顔だけでも持って逃げられるようになってるというのが…仏像でもお顔だけ当初のものであとは後補とかあるもんなー。像を守るための手段ということで、けっこう深い話かも。
鎌倉時代の走り大黒は台所におられました。すごい…悪い顔でした。御朱印と絵葉書を頂く。

次に向かったのは妙法院。国宝の庫裏に入れるということで行ってみました。
隅っこの上の方に小さな大黒さんがおられた。大正時代のものだったけど、また悪い顔だった。
こちらでは護摩堂の不動明王が見られました。左足を少し上げているというのが珍しい。それから御本尊の普賢菩薩騎象像にもお参り。応挙とか山楽とか絵もあったのですが、西日が入り込む部屋で、時間的にあまり鑑賞にいい状態じゃなかったのが残念でした。もうちょっと早い時間に行ければよかったけど、1日であちこち周って欲張りすぎました。
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2015年10月10日

春翠の色気・得庵の男気、それから孤篷庵特別公開

お茶への興味はたまたま買って読んだ『眼の力』から始まっていて、今年伊部に行って焼き物を見て、作為不作為とかいろいろ考えたことからこれを再読してみたんですが、ここに出てくる方々の蒐集されたものって今は美術館で見られるんだよなーと思い当たって、京都へ行ってきました。

蹴上から南禅寺の横を通ってまずは野村美術館へ。「野村得庵」展。
『眼の力』の対談中に、「国司茄子」を藤田家と野村家が争って、野村が譲ったという話が出てきたんですが、その後野村が入手した「北野茄子」があって、そこの説明文を読むとあー悔しかったんやなー良かったなーという。
調べずに行ったら、後期展示で伝藤原佐理の筋切通切が出るらしく、それはちょっと見たかったなー。
得庵好みということでいくつかありましたけど、お師匠さんとか周囲に影響を受けて趣味が変化してった人なのかな、とか。
マンゴスチンを使った香合とか面白かった。
片桐石州の書は線が悠々として好き。
地下の館蔵品展では茶杓と竹花入が見られたのが嬉しかった。
茶杓は茶人の刀というし、数寄人は茶席で誰の茶杓か当てる遊びをしたっていうし、竹を削って作る茶杓にそんな個性が出るんだなーと、あと『眼の力』にはこれぞという美しい写真がたくさんあるんですけど、最も感銘を受けたのが、壁に掛けた竹の花入に椿をさして、打った水の飛沫が聚楽壁に染みを作ってる写真だったのです。
まあでも花をいけずただ並べて置いてある花入れはさみしいな。
遠州の茶杓はさすが遠州で、あと松永久秀の茶杓が面白かった。先が丸っこくて艶めいて。

それから少し歩いて泉屋博古館の「Baron住友春翠」展へ。
思いがけず中国の青銅器コレクションすごかった。ていうか凄すぎた。太鼓もすごいけど銅鏡もあっていいー。
ここ来るの初めてだったんですが、美術館の建物もいいですねこれ…この中庭見ながら1日過ごせる。
1日の時間配分を間違えて、もっとここで時間をとるべきでした。

特別展は住友家の須磨別邸とそこに飾られた美術品。
野口孫市の須磨別邸は模型もあったけど、もう全然日本って感じがしないっすな。戦災で焼けてしまったのが惜しい。
絵画も花器もだけど、それを展示のために置いてる花台とかちょっとした家具もすごいいい雰囲気で、芸術のパトロンで美男で本人の書や絵もすっすとした線で、全体的に品のある趣味の良さが溢れてて、こういう人が審美眼があるっていうんだろうなーとしみじみ思った。
とにかくコレクション凄かったしいい美術館だった。また何かの機会に行こう。東京行ったら、分館も見たい。

京都巡りの最後は大徳寺孤篷庵の特別公開で締め。
20人くらいのグループで説明を聞きつつ見学。
孤篷庵のことは、重森完途の庭園の本で知って、小堀遠州が晩年を過ごし、焼失したあと不昧公が再興したということで、一度見てみたかったもの。
雪が積もった時に牡丹に見えるという牡丹刈りとか、文章で読んだ時はもっと生垣みたいな感じかなーと思ってたら違ってた。やはり実際に目にすると違う。
今は(ビルなどが見えるため)木で隠されてますが、昔は借景に船岡山が見えて、枯山水の波の上の山に見立てられたというの、見てみたかったなー。
茶室忘筌から庭を見た時、上半分の障子で額縁のように画が切り取られて、そこから見える庭がこれぞという構成で美しかった。
西向きの茶室に入った日光が床板と天井に反射して、胡粉を塗った天井板の杉の木目がゆらゆらと波のように見えるっていう話が良かった。
あと亭主の席から床に向かうと壁があるんだけど窓が開いてて、そこに座ると山と月の絵が見えるというのも。
床の掛け軸が、小堀遠州が30代の時に隠居した自分の姿を描かせた絵っていうのも面白かった。
書院直入軒は、探幽の障壁画がすごくよかった。あと松花堂昭乗の猿の絵(かわいい)と扁額があった。
ほんと、庭も建物も庵主の視界に入るものすべてが計算され洗練されて、これこそ美の極致だと思った。

行ってよかったなーとしみじみ思いつつ、今宮神社にお参りしてあぶり餅を食べた。
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