2017年01月23日

京都国立博物館

日曜に京都国立博物館に行ってきた。
国立博物館の年間パスポートが今年の3月で終了というのは、毎年お世話になっているだけにけっこうショックなニュースだった。
まあなくなる分にはいいんだけど、4月から始まる新制度のメンバーズパスが、2000円で平常展示が何度でも見られるというもので、特別展とは別に平常展示だけを目当てに京都・奈良に4回以上行くかというと微妙(2016年は3回だった)
奈良博のプレミアムカードは5000円で奈良博の特別展が各2回見られるけど、春夏と2回ずつ+秋の正倉院展に行ってやっと、という価格設定は正直疑問。
セレブだったらこんなことで悩まずに賛助会員になるんだけど。
悩みつつ最後の年間パスポート作成。今年はこれでお世話になります。

京博は12月に若冲を見に行ったばかりだけど、その時はしまってた3階がオープンしていた。
陶器室は前はあの部屋だけで力を使い果たすくらいたっぷりつまってたのが、かなりすっきりした展示点数になっていた。
考古室では、印仏瓦経を初めて見た。仏像をスタンプしてその中に経文字が1字ずつ書かれているの。
「ふたつの遊行上人縁起絵」では、一遍聖絵とは異なる系統の宗俊本を、金蓮寺本と真光寺本で同じ場面を並べて比較して見ることができた。

中世絵画室は瀟湘八景図。相阿弥と狩野元信だと、元信の方が景色というか遠近がはっきりしていてたぶんいい景色なんだけど、なんかぼんやりした相阿弥の方が好きだなあ。
近世絵画室は富士山特集で、山雪の富士三保松原図の雄大なまさに富士山って感じの絵に、蕭白の異様な感じの絵に、応挙に原在中と豪華だった。
なんか原在中の細密な描写は参詣図のようで、応挙のもやっとした影で捉えた富士の方はリアルな富士山に感じられるのが、線のリアルさと見た時の印象が異なるというか…うまくいえないけど、そんなところが面白いと思った。

1階に降りると愛宕念仏寺の素晴らしい仁王像にご挨拶して、今回の主目的、修理された鳥取三佛寺の蔵王権現を見た。
一木造りで足を大きく上げていない、まだ蔵王権現のあのポーズが定型化する以前の姿ということで、正本尊よりも脇本尊の方が古いものらしい。
顔、衣、膝の木目がよく見えて、部位によって違う木目の幅と濃さがこれ以上ないってくらい合っていると思った。いつかは現地に行きたい三佛寺。
あとは泉涌寺特集をやっていて、三宝荒神像、楊貴妃観音、快慶の宝冠阿弥陀、護法神、逆手の阿弥陀などなどがいらしてて、素晴らしい仏像だらけでたまげた。

四条まで歩いて阪急で帰宅。
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2017年01月21日

南極建築展

今年の展覧会始めは、LIXILギャラリーの「南極建築」展になりました。
観測基地の建築には制約があること…船が運べる資材以上のものは作れないから、船の大きさと建築に関係があるというのが、なるほどな〜と思いました。

最初の基地は木製のプレハブで、資材運搬に制限があるのもですが、南極の環境に耐える建物を、建築素人の観測隊員が短い期間で作るっていう、そういう制限のあるプロジェクトって大変でしょうが見てて燃えます。
ぐぐったら現物が97年の南極展で展示された記事がでてきた(白い大陸に挑んだ40年前の建築技術 竹中工務店

梱包用の箱を積んで作ったという、建物をつなぐ通路兼貯蔵棚の写真がアングラ感があってよかった。
南極観測隊から影響を受けて書かれたSFとかありそう。

印象に残ったのは…
基地では季節イベントが重要らしくて、中でも除夜の鐘は毎年新造する
断熱のために窓はつけたくなかったけど、隊員のどうしてもという希望でつけた
雪に埋もれた時用に天井に脱出口がある
南極では太陽の位置が低いので、太陽光パネルは屋上でなく壁面につける
船が新しくなるにつれて基地内もどんどん快適そうに

あとは氷床下のぜったい座りたくない洋式トイレの奥に積まれてるトイレットペーパーがスコッティで、これやっぱわざわざ選んでますよねみたいな…。

各国の基地の写真もあって、イギリスのハリーIV基地のモジュール移動テストとか映像に見入ったり、けっこう堪能しました。
知識を入れたので、映画の南極料理人をもう1回見たくなった。
posted by すずる at 23:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術館・博物館

2017年01月19日

2016年に読んだ本

2016年に読んだ本、24冊でした。家族に「少なっ」と二度見された。
この数でベストとかいうのもなんですが、読んだ本はどれもこれも当たりだった気がする。

『ハザール事典』 ミロラド・パヴィチ
『冬の物語』 イサク・ディネセン
『日の名残り』 カズオ・イシグロ

あたりが特によかった。
『ハザール事典』にはかなり時間をかけた。
理解が及ばないとこもあったけど、見覚えのある人物の断片が出てくるたびにぞくぞくする興奮があった。すごくいっぱいメモしながら読んでた。
イサク・ディネセンを冬の終わりから春にかけて読んだのもすごいいい読書だった。
フォークロアっぽいけど、民話の登場人物みたいに枯れてない、それから話がどう転がっていくかいつでも未知数。
『日の名残り』はものすごく複雑な読後感だった。徹底して滑稽でもある、残酷なほど滑稽。悲しい。人生と思想を賭けて誇り高く勤めてきた人が、その人生に疑問を抱かざるを得ない状況が。それでいて記憶の中のミス・ケントンはいきいきしててかわいい。描かれる風景は美しかった。


以下は読んだ本を読んだ順に。
『文学会議』 セサル・アイラ
『最果てアーケード』 小川洋子
『注文の多い注文書』 小川洋子、クラフト・エヴィング商會
『ジェゼベルの死』 クリスチアナ・ブランド
『ブラバン』 津原泰水
『ハザール事典』 ミロラド・パヴィチ
『フィッシュストーリー』 伊坂幸太郎
『LOVE』 古川日出男
『冬の物語』 イサク・ディネセン
『日の名残り』 カズオ・イシグロ
『MONKEY vol.8』
『ハートブレイク・レストランふたたび』 松尾由美
『ジム・スマイリーの跳び蛙』 マーク・トウェイン
『MONKEY vol.9』
『拳闘士の休息』 トム・ジョーンズ
『静かな炎天』 若竹七海
『スペース金融道』 宮内悠介
『MONKEY vol.10』
『エスカルゴ兄弟』 津原泰水
『夜行』 森見登美彦
『博士と狂人』 サイモン・ウィンチェスター
『いまさら翼といわれても』 米澤穂信
『首折り男のための協奏曲』 伊坂幸太郎
『ヒッキーヒッキーシェイク』 津原泰水
posted by すずる at 22:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書メモ

2017年01月17日

2016年に行った美術館・博物館メモ

この2016年にどうこうしたまとめをブログに書いておかないと、なんとなく新年の日記が書き始められないなーとか言ってるうちに1月も半分過ぎてしまった。

2016年に行った博物館、美術館は21でした。あまり行けなかった気がしてたけど、例年通りだった。(上半期のまとめはこちら→2016年前半に見た博物館・美術館

夏は18切符を使って、前から行ってみたいと思っていた常滑のライブミュージアムと岡山のBIZEN中南米美術館に行きました。
常滑は焼き物の街歩き込みで楽しかった。
BIZEN中南米美術館は東京のインターメディアテクで収蔵品を見て、1回行ってみたかったんだけど、開館日が限られてるのでなかなか行けなかった。
夏休みってこともあって動物特集。展示は多くはないなと感じたけど、写真を撮ったりゆったり見てたら案外時間がかかったので、ちょうどいいのかもな。

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この日ハシゴした岡山県立博物館の「カミとほとけの姿」は、明王寺の観音菩薩像の乳首がとても印象に残っている。それから真庭市木山神社の鬼神がおなか丸くて可愛かったのと、勇山寺の不動明王脇侍の二童子像がすごく女性的?な立ち姿だった。
岡山南部は平安後期の毘沙門天像が多いらしい。それから吉備津神社に行道面や来迎図が伝わってるというのも覚えた。

奈良博の夏の忍性展はほんと素晴らしくて、終わり頃に1回しか行かなかったのを後悔した。前期に行っておけば2回は行けたのに。
忍性展でよかったこと
・極楽寺から忍性菩薩坐像、釈迦如来、十大弟子がいらしてた
・平安と鎌倉の文殊菩薩騎獅像が並んでて比較できた
・文殊信仰の様子が少し分かった
・行基菩薩行状絵伝のパネル説明がめちゃわかりやすかった
・舎利容器祭りは3つの五輪塔の納置品の展示でクライマックス

秋はMDで岐阜に行ったついで(というか博物館に行くついでがあったのでMD参加したというか)で岐阜県博物館へ。駅からバス利用したけど、駅からもバス停で降りてからも茫然とするくらい遠かった…。
でも、これまで京都、トーハクと行った円空展では見たことがない(多分)個人蔵の像が見られて、より市井の信仰に近い像というか…それから木片からまさに仏が現れ出るといった像が見られて、行って良かったです。

秋はあまり出歩かなかったけど、和歌山の「蘆雪溌剌」、京博の若冲特集と私にしては珍しく、絵を見ました。
串本の無量寺の応挙蘆雪館はいつか行きたい。

2016年は自分の中ではあまり博物館に行けなかったなーと不完全燃焼な気持ちもあった。
展覧会にかなり行かれてる人があちこち行ってるのを見てると、たくさん見ることが全てのものさしになるわけじゃないけど、たくさん見ることで言えることもあるから、うらやましくはある。
読書とかでもたくさん読んでる人に対して同じことを考えてしまうけど。
それほどたくさんは行ってない自分は、だったらせっかく観覧する機会には、せめて精一杯丁寧に見ないとなーと思った。

以下は行った場所メモ
1/10 「鉄斎と蓮月」 鉄斎美術館
1/16 「大湖北展」 安土城考古博物館
1/31 秋野不矩美術館
3/10 「獅子と狛犬」 京都国立博物館
3/12 「伊豆山神社の歴史と美術」 奈良国立博物館
4/27 「水 神秘のかたち」 龍谷ミュージアム
4/27 「禅」 京都国立博物館
4/28 「夷酋列像」 国立民族学博物館
5/2 ふくやま草戸千軒ミュージアム
5/2 「武田五一」 ふくやま美術館
5/21 「国宝信貴山縁起絵巻」 奈良国立博物館
6/30 「御出現!春日大社の神獣展」 春日大社景雲殿
6/30 「和紙 近代和紙の誕生」 奈良国立博物館
8/7 常滑INAXライブミュージアム
8/13 「立体妖怪図鑑」 兵庫県立歴史博物館
9/10 「カミとほとけの姿」 岡山県立博物館
9/10 BIZEN中南米美術館
9/15 「忍性」 奈良国立博物館
10/2 「東海地方の円空仏」 岐阜県博物館
11/18 「蘆雪溌剌」 和歌山県立博物館
12/17 「特集陳列伊藤若冲」 京都国立博物館
posted by すずる at 23:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術館・博物館

2017年01月15日

2016年に読んだ漫画メモ

2016年に読んだ漫画は137冊でした。
再読(SPRIGANとARMS一気読みしたり)を入れるともうちょっと。
雑誌は相変わらず、週刊でジャンプとサンデー、月刊はウルトラジャンプ、アワーズ、ゲッサンを購読しています。

前半の読んだ漫画まとめはここに(2016年上半期に読んだ漫画
2016年は継続して読んでた漫画がいろいろと完結した年で、こち亀もですけど、個人的に思い入れのあるのは特にGガン!



アニメで描かれたシーンの意味、伝えたい思いを考え抜いた上で、そこに作者のカラーが加わった、最強に熱い、愛のある、理想的な漫画化でした。

しかし完結記念対談が雑誌に載ったのでそのために買って読んだら、その次の号に対談完全版を載せたという商売のやり方には、いい対談だっただけに納得できない。なぜコミックス最終巻に収録しなかった…。

それから『昭和元禄落語心中』



話芸を漫画で描く表現が、すごい高みに達しちゃったと思います。
表情と間で表現される緊張と弛緩。
描かれてないところにある関係を想像させる余地。凄い漫画でした。

あと『ナナとカオル』



エロさについてたくさんのものを受け取ったし、考えさせられたし、影響を受けた漫画でした。
ガチセックスより初期のぎこちないソフトSMの方がエロいとか、すごいエロいことしてるのに純愛とかそういう捻れた良さ。
ブラックレーベルという本編の後日譚が先に完結しちゃったせいか、終盤の展開はちょっと興味を保てなかったですが、2人にはハッピーエンドがよく似合う。

あとは新しく読んだ漫画としては、『ナナマルサンバツ』を最初から一気に読みました。



クイズ界熱い。
ニューヨークに行けなかったロストジェネレーションなので、そういう世代間の繋がりがフォローされてるのも面白かったです。
高校生クイズっぽいのの予選が始まったところで、この先も楽しみ。宮浦推しです。

好きな漫画をもうすこし。

『うちのクラスの女子がヤバい』



前半日記にも書いたけど、その後出た2巻もとても面白かったです。本好きのギャルの子の話は久々にきゅんきゅんきました。
同じクラスが舞台のオムニバスで、背景の描き込みとか、背景で別の物語が進行してる感じ、世界観が出来上がってる感じが好きなんです。

世界観といえば、『マーチャンダイス』もけっこう好き。



火星にあるシェアハウスが舞台。癖のある人物揃いで、みんなが好き勝手に行動してて、でもどこかで関係が繋がってるっていう設定も話も絵もすごくツボ。
博士とその命を狙う忍者の話がいまんとこ個人的ベスト。

『恋は光』



恋=発光という設定がまずあって、理屈っぽい主人公とそれを取り巻く3人の女の子の恋模様がじっくり描かれる漫画で、って言っても全然ハーレムっぽくなくて、恋とか友情とか感情に丁寧に向き合うようになっていく描写にとても好感を持ちます。
雑誌で読んでるんですが、直近の展開にすごく燃えました。

読んでる範囲内で2016年に新しく連載が始まって楽しみにしてる漫画。

『海王ダンテ』



大航海時代で魔人でスチームパンクとか好きな要素しかない

『約束のネバーランド』



シスターの愛に包まれた平和な孤児院が、実際は人外の生き物に子どもを出荷する牧場だったところからの、脱出ゲーム。いや脱出ゲームになるかわかんないけど、頭脳戦と心理的駆け引きに期待。

『MASTERグレープ』
今どきっぽい要領のいい格ゲーマスターな男の子と、武術家の祖父に育てられたちょっとずれてるけどすごい格闘スキル持ちの男の子の出会いから始まる話。
まだ3話しか読んでないけど、異種格闘技っていうか違う武器同士の対決で、思ってもみない動きの技が出てくるのが新鮮で気持ちいい。
面白くなりそうで期待。

あとは勧めてもらったのと気になる漫画メモ
『彼方のアストラ』篠原健太
『おとむらいさん』大谷紀子
『淋しいのはアンタだけじゃない』吉本浩二
『推しが武道館いってくれたら死ぬ』 平尾アウリ
『フルーツ宅配便』鈴木良雄
『アンの世界地図』 吟鳥子
『なんてことないふつうの夜に』 嶽まいこ
『ホーリータウン』 宮崎夏次系
『九月十月』島田虎之介
posted by すずる at 22:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画